2011年度、携帯電話の出荷台数は回復基調に――MM総研が予測
MM総研が2008年度の携帯電話の出荷状況とメーカー別シェアを発表。出荷台数は2000年の調査開始以来、過去最低水準の3589万台にとどまった。出荷台数は2010年度に底を打ち、2011年度には回復基調に向かうと予測している。
MM総研は4月22日、2008年度の国内携帯電話の出荷台数に関する調査結果を発表した。総出荷台数は、前年同期比29.3%減の3589万台で、2000年の調査開始以来、過去最低水準となった。
MM総研は出荷台数が減少した要因に、買い替えサイクルの長期化とキャリアの在庫調整を挙げている。携帯電話市場では、各キャリアが導入した新販売方式の影響で端末価格が上がり、期間拘束型の割引プラン導入も手伝って、ユーザーの買い替えサイクルが長期化する傾向が続いている。これがキャリアの在庫調整につながり、下期の出荷台数に影響したという。
今後の見通しについては、2008年度下期でやや緩和された在庫問題が依然として高い水準にあり、しばらくはキャリアが在庫調整を意識した端末調達を行う可能性が高いことから出荷台数は減少傾向が続くとし、2009年度は3320万台、2010年度は3260万台が出荷されると予測。なお、2012年3月末のムーバ終了、2012年7月の周波数再編に向けた買替需要の促進、2010年度のLTEサービス開始などの要因から、2010年度に底を打つ端末市場は、2011年度に3520万台まで回復すると予測している。
2008年度のメーカーシェア、シャープがトップに
2008年度のメーカーシェアはシャープがトップを獲得。2005年度以降、4年連続で首位を守ったが、出荷台数は前年同期比35.3%減となり、市場全体より6ポイント大きい減少幅となった。2位はパナソニック モバイルコミュニケーションズ、3位はNEC、4位は富士通、5位はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズとなっている。
au専業メーカーや海外メーカーなど13メーカーが含まれる「その他メーカー」の出荷台数は、42.8%減と厳しい状況。海外メーカー端末ではアップルやHTCのタッチパネル端末が目立っている。なおiPhone 3Gは、日本のユーザーニーズに合わせたワンセグ、絵文字などへの対応を進め、ソフトバンクモバイル市場では一定のシェアを獲得したが、市場全体にインパクトを与えるほどの存在にはならなかったとしている。
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