ケータイ流通マネー、市場規模は年間1兆7000億円規模に
日経BPコンサルティングが、携帯電話の個人利用に関する実態調査の結果を発表。携帯電話を介した購買行動に関する調査では、携帯流通マネーが1兆7000億円規模に達することが分かった。
日経BPコンサルティングは7月10日、「携帯電話“個人利用”実態調査2009」の結果を発表した。報告書として7月15日に発行する。
同調査は6月4日から同8日まで実施したもので、回答数は4400人。スマートフォンやデータ通信カード、ケータイ動画の利用状況、メディア接触時間の比較に加え、「携帯電話を介して行われる購買」(以下「携帯流通マネー」)にフォーカスしている。
携帯電話を介したオンラインショッピング/ネットオークション、おサイフケータイを使った買い物や乗り物利用、音楽、電子書籍、ゲーム、動画の各コンテンツについて利用料金をたずね、その回答をもとに携帯流通マネーについて年間総額を算出したところ、市場規模は総額で1兆6931億円と算出された。
内訳は、おサイフケータイでの買い物が35.0%、携帯オンラインショッピングが34.5%、おサイフケータイでの乗り物運賃が14.3%、携帯ネットオークションが8.3%、音楽コンテンツが4.0%、ゲームコンテンツが1.6%、電子書籍コンテンツが1.2%、動画コンテンツが1.1%となっている。
2008年の調査で算出した年間総額は1兆7220億円となっており、前回と今回の2度にわたる調査結果から、携帯流通マネー市場は1兆7000億円規模となっているものと推測される。今後、国内の景気が回復基調となり、他のコンテンツ分野と合わせて今後3年間で3000億円程度規模が増えると、携帯流通マネーは2012年には2兆円規模になることが見込めそうだという。
なお、今回の調査でも現在使用している携帯電話の総合的な満足度と、通話機能や料金体系、デザイン、機能、サービスなど28項目についての満足度を調査している。携帯電話の利用満足度を通信事業者別にみると、総合満足度1位はKDDI、2位はNTTドコモ、3位はウィルコム、4位はソフトバンクモバイルとなった。2008年6月に行った前回の総合満足度と比較すると、3位と4位が入れ替わり、2位のNTTドコモと1位のKDDIの差が縮まっている。
また「通話品質」「通話圏外の少なさ(どこでも使える/どこでもつながる)」「本体価格」「基本料金・通話料金」「パケット代」で各通信事業者を比較すると、前回調査では総合満足度も含めて6項目すべて、NTTドコモを上回っていたKDDIが、今回調査では「通話品質」と「圏外の少なさ」の2項目で首位をNTTドコモに譲った。総合満足度3位のウィルコムは6項目すべてで満足度ポイントが前回調査よりも上昇。4位のソフトバンクモバイルは「総合満足度」「本体価格」「基本料金・通話料金」「パケット代」の4項目で満足度ポイントが下がった。
また、データ通信カードを利用しているのは回答者全体の4.6%で、利用している通信事業者はイー・モバイルが37.3%、NTTドコモが34.3%、ウィルコムが11.4%、KDDIが10.0%、ソフトバンクモバイルが7.0%だった。利用者の総合満足度は、NTTドコモが最も高く、イー・モバイルがこれに続いた。NTTドコモがイー・モバイルより高かったのは、「総合満足度」「通信の途切れのなさ」「利用できるエリア」「データ通信速度」「利用料金」の5項目で、逆にイー・モバイルが高かったのは、「接続までの時間」の1項目だけだった。
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