無駄の発見、クラウドで一元管理、エネルギー可視化の新サービス

イトーキは、オフィスなどの施設で消費しているエネルギー量をユーザーに提示するサービス「Worksense Resourcelog」の提供を始めた。オフィスだけでなく、店舗や公共施設、工場などさまざまな施設で利用できる。オフィスをデザインしてきた経験を生かして、無駄なエネルギー消費を防ぐ方法の提案も進める。

» 2013年01月15日 10時00分 公開
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イトーキ ソリューション開発統括部 Ecoソリューション企画推進部 部長 平野啓一郎氏。社内では「エコ部長」と呼ばれているという

 イトーキは2010年ごろからエコロジー関連事業に取り組み、2011年度には推進部門を発足させた。ヒト・モノ・エネルギーの流れを効率よく円滑にし、代替できるものは環境に掛かる負荷がより軽いものに代替していくことを目標に、省エネ型の照明器具やカーボン・オフセットなどの販売を続けてきた。

 2011年3月の東日本大震災以降は企業の省エネ意識がますます高まり、商談相手となる企業の担当部署も、総務部から経営企画室や環境対策部署に変わってきた。何よりも「経営層が細かな省エネも意味のある施策だと気付いた」ことが大きいという(イトーキ ソリューション開発統括部 Ecoソリューション企画推進部 部長 平野啓一郎氏)。このように顧客に接しているうちに、潮目の変化を感じていたという。

 「福島原発の事故以降、照明を間引いたり、空調設備の稼働率を抑えたり、企業も積極的に省エネに取り組んできた。しかし、そろそろこうした“しんどい”省エネから脱却するときに来ているのではないか。暑い/寒い、暗い職場では生産性が下がってしまう。店舗にしても、震災直後は来店するお客さんも省エネのために売り場が多少不快になることを理解してくれたが、いつまでもそうはいかない。職場や売り場などの空間を快適に保ちながらエネルギー消費量を削減する方法を考えなければならない」(平野氏)。

多数の拠点の比較と、細かい部分の計測で無駄を見付ける

 空間を快適に維持しながらエネルギー消費量を削減するには、無駄にエネルギーを消費している部分を突き止め、改善していくのが効果的。そこで役立つのが「Worksense Resourcelog」だ。特長は3つ。1つ目は、多数の拠点に計測用機器を設置すると、ブラウザさえあればどこでも全拠点のエネルギー消費の推移を確認できること。

 各地に散在する店舗や事業所といった拠点すべてに計測用機器を設置すると、エネルギー消費量のデータはインターネット上のWorksenseサーバーに集まる。ここへWebブラウザでアクセスすれば、各拠点のエネルギー消費の推移を別々に確認できる。例えば同じような規模の拠点同士で消費エネルギー量を比較するだけでも、無駄にエネルギーを消費している部分が分かることもある。

Worksense Resourcelogで、ある拠点のエネルギー消費の推移を確認しているところ。画像をクリックすると拡大

 空間だけでなく、例えば、輸送用燃料なども入力しておくと、同じような規模の拠点なのに、一方の拠点では営業用の自動車の燃料を多く消費し、もう一方の拠点ではあまり消費していないというデータが分かる。この場合、燃料を多く消費している方の拠点で、自動車を無駄に使っている可能性が高いということがうかがえる。

 2つ目の特長は、細かい部分のエネルギー消費量を把握できることだ。イトーキはWorksense Resourcelogで利用する計測用機器として、コンセントにつながった機器の消費電力量を計測する機器も用意している。例えばある拠点の消費電力量がほかの拠点に比べて多いと分かったとき、拠点単位にとどまらず、フロア単位、部屋単位、機器単位と細かい単位で計測できる。消費エネルギー量が多いと分かっても、すぐには原因が分からないというときに、細かい単位で調べることで無駄を確実に見付けられるようにしているのだ。

 ここで、細かい単位で消費電力を計測する機能の面白い使い道を紹介しよう。サーバー・ルームにあるサーバー機器1台1台の消費電力を計測し熱暴走を予測するのだ。負荷がかかり過ぎて大きな電力を消費しているサーバー機器を簡単に発見することができる。そのまま放置していると、次に周辺の気温が上がりサーバーが熱暴走を起こすはずだ。消費電力量から、負荷がかかっているサーバーを特定できれば、気温が上がる前に対策が打てトラブルを未然に防げるのだ。

 3つ目は、導入が容易であるということだ。先に述べたリアルタイム電力計測システムは無線や既設のネットワークを利用してデータを送信するので、特別な配線工事は不要。既存のインターネット回線を通してサーバーと通信するので、専用の回線を設置する必要もない。簡単な作業で導入できるので、工事などにかかるコストを抑えられる。

 さらに、パナソニック製のセンサー機器にも対応し、あらゆるエネルギーを計測することができる。多回路モニターなどのセンサー機器がすでに導入してあれば、対応するゲートウェイを追加導入するだけでResourcelogを利用できるのも大きな特徴だ。

 計測機器を導入せず、手入力でエネルギー消費量のデータを管理することも可能だ。ごく小さな拠点なら計測機器を導入せず、担当者がエネルギー消費量を手入力すれば、コストをさらに抑えられる。

「見せる化」で省エネへの理解を促す

 以上で説明した機能を活用すれば、エネルギー消費の無駄を見付けやすくなるはずだ。しかし、エネルギー消費の無駄を見付けて、対策を打つだけでは省エネ活動はうまく進まない。その場所で働く人、活動する人に省エネ活動が大切なことであると理解してもらう必要がある。十分な理解を得ないまま省エネ活動を推し進めても、その場で働く人の協力を得られないので、失敗してしまうことが多いのだ。

Mediathequeで、デジタル・サイネージにエネルギー消費量を表示したところ。当日の天気など、多くの人が興味を持つ情報も合わせて表示する。画像をクリックすると拡大

 その問題を解決するためのオプション機能も用意されている。消費エネルギー量の推移などのデータを配信する「Mediatheque(メディアテーク)」サービスだ。Mediathequeは、データをデジタル・サイネージや社内ポータル・サイトといった、目立つ場所に配信して表示させるためのコンテンツ配信システムだ。そこで活動する人なら必ず目に入るようにデータを「見せる」のだ。イトーキの調べでは、オフィスで働く人の多くは、自身が働いているオフィスでどれくらいエネルギーを消費しているのか知らないということが分かっている。

 そのような状況でエネルギー消費状況のデータだけを提示しても、多くの人はあまり気に留めないだろう。インフルエンザ流行指数などのデータも合わせて配信することで、エネルギー消費状況のデータにも興味を持ってもらう工夫を加えている。一度興味を持ってもらえば、フロアごとや拠点ごとで比較する形でデータを表示し、競争意識をあおり、省エネに対するモチベーションを上げることもできる。

 イトーキは、デジタル・サイネージや社内ポータル・サイトへのデータの配信を「見せる化」と呼び、2010年末から自社拠点にも導入している。一目見るだけで大部分の情報を把握できる画面レイアウトや、オフィス空間作りで培ってきた美しいデザインが目を引く。

BEMSによる設備の制御はどこまで必要か

 省エネ活動の中でも、特に世間の注目を集めているのが節電活動だ。夏も冬も空調に大きな電力を消費する。その結果、電力需要が電力会社の供給力を超えてしまい、大停電を引き起こしてしまう可能性がある。政府はこのような事態を回避するために、「BEMSアグリゲーター」制度を導入した。特に中小ビルを対象とし、ビルの電力消費量を抑えるためにBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を普及させることを狙った制度だ。2013年は制度導入後2年目となる。各社の商品が出そろうため、「勝負は2年目」と意気込む企業も少なくない。

 アグリゲーター制度を利用してBEMSを導入すれば、政府から補助金を受けられる。これらのBEMSは消費電力量などを監視し、あらかじめ設定した電力量を上回りそうになると空調の運転を自動的に止めるなどの制御で消費電力量を減らす。空調機器などを制御する機能を備えているシステムが多いので、価格はやや高めになる。政府からの補助金を考えても、かなりの出費になってしまうこともあるだろう。それだけに、「補助金のことだけを考えて購入する企業はそれほど多くないだろう」(平野氏)と見ている。

 一方Worksense Resourcelogは消費電力量を把握するだけで、機器を制御する機能を持たない。計測したデータの集計結果はサーバーにアクセスすることで細かく調べられる。つまりデータを分析し、節電対策を立てて実行しなければ節電につながらない。

 BEMSのように一定の目標値に近づいたときに機器を自動制御することは確かに便利だが、空間の快適性と節電との両立については疑問符がつく。「節電しながら快適な空間を作るには、どうしてもデータを細かく分析する必要がある」(平野氏)。分析が必要だとするならば、規模を選ばず誰でも簡単に活用できることも重要なポイントだ。「価格とデザインにはこだわる。初期コストを抑えるのはもちろん、利用料金体系もどこよりも安く、分かりやすいものにしたい」(平野氏)と導入を考える企業にとってうれしいコメントが飛び出した。

 Worksense Resourcelogは、ドラッグストアやコンビニなどの多店舗事業者、中小工場、中小ビルといった市場を狙う。まさにBEMSアグリゲーター企業がターゲットとする市場だ。「当社の得意分野であるオフィスはもちろん、店舗や工場での採用拡大を狙う。同じ面積・規模なら店舗の消費電力はオフィスの約2倍から3倍ともいわれる。電力料金の上昇が続く今、削減要求は切実だ。そして、削減できればその費用対効果は大きい」(平野氏)。

 データの分析までは難しいという顧客には、集計したデータから見付けにくい無駄を見付け出し、必要のない部分の機器の稼働を止めるなどの方法を考え、アドバイスする。そのアドバイスは、人が集まる空間の環境を快適に維持することを第一に考えたものだ。従業員に我慢を強いる省エネを2年間続けて、「もう我慢の省エネは続けられない」と考える企業は、Worksense Resourcelogに注目してみてはいかがだろうか。

 

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提供:株式会社イトーキ
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2013年2月14日