太陽光O&Mのプロが選ぶパワコンの条件、なぜファーウェイが選ばれたのか

太陽光発電所のO&M(オペレーション&メンテナンス)とアセットマネジメントにおいて、国内トップクラスの受託実績を誇るオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント。同社は、なぜファーウェイを選ぶのか── 実質O&Mコストの削減に挑み続ける、戦略責任者の百合田和久氏に聞いた。

» 2020年08月13日 10時00分 公開
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 オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントは、再生可能エネルギー発電事業に特化したO&Mおよびアセットマネジメントの専門企業だ。2011年のFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)誕生を皮切りに、オリックスが進めてきたメガソーラーをはじめとする再エネ発電事業に関する知見とノウハウを生かし、2018年6月に設立された。現在、同社が運営管理する太陽光発電所は全国86カ所を数え、その規模は450MWに達している。

オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントが管理する「オリックス白老町メガソーラー発電所」 写真提供:オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント

450MW、国内随一の運営管理実績を踏まえて

 同社にとってファーウェイは最も重要なパートナー企業の一つであり、ファーウェイ製パワーコンディショナーは同社のビジョンを実現するために不可欠な存在であるという。百合田氏は、オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント設立以前、オリックス本体でメガソーラーの開発、エンジニアリングにも携わってきた。百合田氏にとって、ファーウェイとの関わりは、その頃からのものだ。

オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント 戦略責任者 百合田 和久氏

 「当時は、太陽光発電所はつくってしまえば終わりで、メンテナンスフリーという考え方が一般的でした。しかし、オペレーションやメンテナンスをしっかりやっていかないと、企画・開発において目論んでいた収益は出てきません。我々は、そのことを意識し、机上で目論んだ収益を、実際の事業で確保するためには何が大切かをゼロから発想し直し組み立ててきました。その結果として、パワーコンディショナーは、事業運営において最も重要な要素の一つであるとの結論に至っています。

 パワーコンディショナーには様々なタイプがありますが、ファーウェイのパワーコンディショナーは、オペレーションコストが廉価であり、トラブル時のリスクも限定的である事が魅力で、それが選定の動機でした。」

発電量をアップして、実質O&Mコストを削減

 いまはオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントの戦略責任者として、顧客の太陽光発電所のO&Mを担う立場になった百合田氏。O&Mやパワーコンディショナーについての考え方に変化はあったのか?

 「基本的には、検討時の想定範囲内で進展しており、何も変わりません。ただ、これまで発電事業者側にいたので、お客様の立場にたって考えることができます。それは、オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント全般にいえることです。

 当社では、“実質O&Mコスト削減”によりお客様の事業をサポートし、市場の成熟化と再生可能エネルギー発電の社会コスト低減に貢献することを、一次ビジョンとして掲げています。実質O&Mコストとは、O&MコストからO&Mサービス改善効果で増えた収益を差し引いた額のことであり、O&Mはコストファクターとしてだけではなく、売上のトップラインを高い位置で推移させるためのツールとしての側面もある事を、日々証明しています。

 ちなみに、この改善効果を現わす指標としてPR(Performance Ratio:太陽光エネルギーが電気に変換される比率。日射、系統抑制などの外的要因を除いた、発電所の生産性を数値化する産業標準指数)値がありますが、当社では、前任のオペレーターから承継受託後2年で、O&Mメニューを見直し、デジタルを活用した点検と発電所ごとの環境整備を徹底したことで、PR値を平均4%向上させることに成功しました。

 発電量の最大化を目指すには、その発電所でどのようなパワーコンディショナーが使われているかが極めて重要なポイントとなります。単に変換効率が良いだけではなく、オペレーションが容易で、トラブルが起きても発電所をダウンさせることがなく、長期にわたって修繕費用を抑えられるものであることが求められるのです。」

なぜ、ファーウェイ製パワコンなのか?

 ファーウェイのパワーコンディショナーは、こうした要望を満たしているという。百合田氏は、ファーウェイ製品のメリットを次のように整理する。

 「まず、ダウンサイドリスク管理の観点でいうと、仮に1台のファーウェイ製パワーコンディショナーが壊れたとしても、一般的な集中型パワーコンディショナーよりも、ダウンする発電所の面積が小さくて済みます。1MWの太陽光発電所を例にとれば、ファーウェイのものだったら20台、集中型パワーコンディショナーだったら1台で構成できるでしょう。仮に1台が壊れたとき、発電所がすべてダウンするのと、発電所の20分の1だけがダウンするのでは、故障率が同じとしても、20分の1のダウンタイムになります。

同じ分散型パワーコンディショナーの中においてリスク管理観点で優れている特長としては、故障しにくい構造であるという事があります。ファーウェイ製パワーコンディショナーには駆動体が入っていません。具体的には、冷却のためのファンがない“ファンレス仕様”であることが魅力です。常に駆動しているファンは、機械や設備を扱った経験がある人なら『壊れるもの』と理解します。ですが、はじめからファンがなければ壊れる心配もありません。

 ファンレスにより、スペアパーツを保持する必要がなくなり、パーツを交換するための、スキルをもつエンジニアを派遣する必要も無くす事に、当該製品は成功しています。部材ストックと特殊スキル人財の保持が不要なわけで、これはO&Mコストの低減にも貢献するファクターであり、結果的に発電事業者のOPEXの低減に繋がっていきます。」

マルチ回路MPPTがもたらすメリットとは?

 そして、百合田氏は、トップラインを上げてくれる仕様面として評価している、マルチ回路MPPT(Maximum Power Point Tracking:最大電力点追従)のメリットを語る。

 「パワーコンディショナー本来の性能に関しては、変換効率が高いだけでなく、MPPT回路が多いのがうれしいところです。我々が導入しているファーウェイ製パワーコンディショナーは、2ストリングごとに1MPPTとなっており、個々のパネルの力を最適に引き出せるよう設計されています。おおむね40枚から44枚の太陽光パネルを1グループとして、グループごとに制御していますから、個々のパネルの汚れや影による影響を小さく抑えることができます。たくさんのグループそれぞれに、パネル本来のポテンシャルが高レベルで引き出され、発電所全体の発電量がアップし、収益の向上につながるのです。パネルの力を最適に引き出す能力に関しては、日本市場で入手できる製品の中では、ファーウェイ製パワーコンディショナーが最も優れていると認識しています。MPPT回路数が多いメリットは、実際に運営し発電量の挙動をモニターすると、建設時の kWp単価コストのみで、パワーコンディショナーの選定判断をする事は賢明ではないと言わざるをえません。」

 さらに、事業環境が変化する将来への備えとして、パワーコンディショナーには拡張性も求められているという。

 「将来的には、電力をコントロールしなければならない時代が必ずやってきます。再生可能エネルギー発電量の増大に伴う系統負担、待機発電施設の増加による社会負担増といった課題に対し、発電量をより厳密に予測・コントロールすることで、社会コストの低減に努めていかなければなりません。出力制御要請などにも、迅速に対応できる発電システムであることが全国的に求められるようになります」

 これからのパワーコンディショナーは、こうした社会的要請にも応え得るものでなければならないと百合田氏はいう。しかし、実際には、ここまで見越して設計されたパワーコンディショナーは少ない。

 「その点、ファーウェイ製品には、電力コントロールを実施するうえで必要な情報をやり取りできる端子がはじめから付いているのです。現状でも、ホストから命令してパワーコンディショナーに制御させるということはありますが、まだあまり行われてはいません。しかし、それが当たり前に必要となる時代がきたとき、ファーウェイ製パワーコンディショナーが入っている発電所であれば、後から何かを加えなくても、すぐに対応することができるのです。我々にとって、これは大きな安心材料です」

 「我々は、電力コントロールに向けて、デジタルソフトウェアの選定も進めているのですが、ソフトウェアができてもデバイスの方で対応できなくては前に進めません。ファーウェイのパワーコンディショナーは、元から通信のことを想定して作ってあるので、他社のパワーコンディショナーにパーツを加えて対応させるより効率的だし、コストを抑えることにもなります」

電力コントロール時代、高まるパワコンの重要性

 「ファーウェイは外資系であるにもかかわらず、日本のトップクラスの会社に引けを取らないフォロー体制も素晴らしいですね。何か問題が起きても、その問題がなぜ起きたのかを一緒になって考え、原因を特定してくれます。我々としても、同じ過ちを繰り返さないで済むので助かっています。また、メンテナンス全般について、自分たちのノウハウを積極的に開示する姿勢が感じられるのがありがたいところです」

 オリックスグループでは事業主として、1GW超の開発、建設、アセットマネジメント、450MWpのオペレーションを行ってきた。その経験を生かし、オリックス・リニューアブル・エナジーでは、リパワリング提案も行っている。発電所のポテンシャルを引き上げるためリパワリングについて、追加建設費、改善収益効果、期中運営コストの3側面からアドバイスを行える事が同社のアドバイザリーサービスの特徴。「パワーコンディショナーについては、ファーウェイ製品へのリプレイスを提案するケースも増えてくるでしょう」と百合田氏は述べる。LCOE(Levelized Cost Of Electricity:均等化発電原価)の低減を使命としている同社のパートナーとして、ファーウェイへの信頼は揺るぎないもののようだ。

 最後に、百合田氏にオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントのこれからについて聞いた。

 「日本の平均的なO&Mサービスよりも強化したメニューで取り組む事により、O&Mコストは上昇しますが、顧客収益はコスト負担よりも飛躍的に向上するという事は証明できました。この実質O&Mコストを下げるための取り組みは、さらに強化し、並行して当社のコスト構造も3年かけて10-20%低減させていきます。その結果、受託して5年以内には実質O&Mコストがゼロになるサービスを確立させるのがファーストステップです。

 その次のステップは、再生可能エネルギーの発電予測技術を確立することです。我々のテストでは、既に誤差15%以内で明日の発電量を発電所単位で予測できますが、近いうちに、これを10%に近づけていく計画です。天気予報の精度に依存する部分もあるので簡単ではありませんが、発電所のオペレーションを完璧に近づけ、データラーニングで予測していけば、アワー単位での正確な予測が可能になるはずです。電力コントロールを可能にし、待機電源コストという社会コストを低減させる事で、再エネを本当に成熟させる事に、当社が役立てれば企業人としてこれ以上の幸せは無いと考えます。」

 百合田氏は、「次の時代を見据えた太陽光発電所にとって、パワーコンディショナーの果たすべき役割はますます大きくなる」と話す。太陽光パネルがつくる直流の電気を交流に変換するという基本機能をはるかに超えて、パワーコンディショナーには太陽光発電システムの“頭脳”となることが求められているようだ。最先端のICTソリューションが凝集したファーウェイ製品への期待は大きい。

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提供:華為技術日本株式会社/ファーウェイ・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2020年9月4日

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