蓄電池のスポット市場における収益状況は? 蓄電池やDR運用の現状分析:第4回「分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ」(1/3 ページ)

「分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ」の第4回会合では、蓄電池やデマンドレスポンスの現時点の運用状況を報告するとともに、今後の対応の方向性が議論された。

» 2026年10月23日 07時00分 公開
[梅田あおば,スマートジャパン]

 再エネの主力電源化に向けては、蓄電池やデマンドレスポンスなどの分散型エネルギーリソースの活用が重要となる。このため、資源エネルギー庁の「分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ(WG)」では、需要側リソース(需要側蓄電池、DR)、供給側リソース(系統用蓄電池、再エネ併設蓄電池)の導入を進める上での課題や2040年度の導入見通しを踏まえた施策の方向性などの検討を行っている。

 同WGの第4回会合では、蓄電池やDRの現時点の運用状況を報告するとともに、今後の対応の方向性が議論された。

家庭分野・低圧需要側リソースにおける需要側蓄電池やDRの現状

 家庭に設置された高効率給湯器やEV、家庭用蓄電池などは、その本来用途を損ねない範囲でDRを行うことにより、分散型エネルギーリソース(DER)として活用することが期待されている。

表1.低圧リソースのDRポテンシャル 出典:分散型エネルギー推進戦略WG

 家庭の低圧リソースは1件あたりのDR量は少ないが、ストック台数は1,000万台規模であり、今後もさらなる増加が見込まれる。ただし、現時点、クラウドなどへ接続している(遠隔操作などが可能である)リソースは限定的であり、これらのDRポテンシャルは合計約300万kW程度に留まる。今後のDRポテンシャル拡大のためには、機器のクラウド接続率の向上やDR ready機器の普及が重要と考えられる。

 また需給調整市場では、2026年4月から低圧リソース及び機器個別計測による応札が可能となった。ただし、機器個別計測については原則として特例計量器などの計量データを無線端末経由で第二世代スマートメーターのIoTルートを介してデータ収集する必要があるが、現時点、無線端末の認証や量産がされておらず、現実的に参入できる状態とはなっていない。

図1.第二世代スマートメーターのIoTルートを活用したDRのイメージ 出典:分散型エネルギー推進戦略WG

産業分野・高圧需要側リソースにおけるDRの現状

 省エネ法は2022年改正により、法の目的に「電気の需要の最適化」を追加し、一定規模以上のエネルギーを使用する特定事業者に対して、エネルギー使用状況(DR実施日数)などの定期報告を義務付けている。

 2025年度報告(2024年度実績)において、約14,700件の工場・事業場のうち、DRを実施した工場などは約3,200件(約22%)であり、これらの平均DR実施日数は37.7日であった。

 また、2025年度報告(2024年度実績)から任意項目として「DRの実績値」及び「DRの実施に活用した設備」が追加され、回答者のDR実施量のうち、下げDRが約2/3を占めた。

図2.産業分野におけるDR実施状況 出典:分散型エネルギー推進戦略WG

 また、アグリゲーターとDR契約を締結している指定工場などの件数は全体の4割強であるが、これらが全業種合計の下げ/上げDR実施量(kWh)の9割強を占めた。

 現時点、特定卸供給事業制度に基づく届出を行っているアグリゲーター(特定卸供給事業者)は145社であり、それらの合計供給能力は約6.1GWに上る。特定卸供給事業者の属性としては、発電・小売などの電気事業者以外にも多種多様な業種からの参入が行われている。

図3.特定卸供給事業者の属性 出典:分散型エネルギー推進戦略WG
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