日本GP決勝翌日、セバスチャン・ベッテルが横浜でトークショーファン2000人が祝福(3/5 ページ)

» 2011年10月11日 11時45分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

レッドブルのクルマは、5%のひらめきと95%の努力でできている

 続いてデビッド・クルサードは、チームテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイに話しかけた。ニューウェイはレッドブルのレーシングカーデザインを手がけており、空力の天才とも言われるデザイナーだ。

エイドリアン・ニューウェイ レッドブルに参加することができて、本当に最高です。私はとても満足しています。クリスチャン(・ホーナー)、セバスチャン(・ベッテル)、彼らと一緒に仕事ができて。2009年もいい年だったけど、能力がある人たちが集まっていて、その能力を2010年、2011年と引っ張り上げられたのはみんなのおかげですね。

エイドリアン・ニューウェイ

デビッド・クルサード クルマをデザインするとき、どういうところから出発するのですか?

エイドリアン・ニューウェイ 新しいレギュレーションが決まると、そのレギュレーションについて考えるところから始めます。2009年には大きな変更があったので、そこから考えていきました。前もって考えを決めておくというよりは、どういうレギュレーションかがまずあります。(ニューウェイがデザインして2009年に投入された)RB5から変わったこととしては、ダブルディフューザーが入ってきたり、KERSとか、大きな変化がありますから。新しい変化があるたびにそれを組み入れてクルマを作っていくのですが、ダーウィンの進化論的にクルマは発展していくものです。レッドブルのカーデザインの成功は5%がinspiration(ひらめき)、95%がperspiration(発汗、努力)によるものですよ。

 ニューウェイはベッテルを「年のわりに非常に成熟した人だと思う。冷静だし大人っぽい、そして一生懸命だ。クルマを理解しようとすごく努力しているし、自分のドライビングスタイルについて、毎日毎日振り返って考えている。そしてクルマを走らせるときには、よく新しいことをパッと思いついて、それを実現させて成功していく。チームにとって、彼はとても頼りになる人間なんだ。非常に才能があっても、一生懸命やらないドライバーは、チームに対して(熱意が)伝わらない。でも、セバスチャンもマーク(・ウェバー)も、才能があって、しかも一生懸命なんだよ」と評していた。

 最後にデビッド・クルサードに質問されたのは、チーム代表のクリスチャン・ホーナー氏。ベッテルがカラオケで歌っていたのは「Yellow submarine」と「My Way」だと明かしたり(24歳にしてはずいぶんシブい選曲のような……)、「アルコールのレベルは高かったよ、昨日の夜はみんな」と発言すると、会場では笑い声が起きていた。

 最後の質疑応答で「昨日、鈴鹿に集まった大勢のファンと写真を撮っていましたね」と聞かれたベッテルは「F1のファンは世界中にいるけど、みんなレースが終わったら帰る。でも、日本のファンは待っててくれるんだよね。レースが終わったあと、チームがパッキングして撤収するところまで、ファンが見守っててくれる。そんな国は日本だけだ。そこまで含めてF1なんだということを、日本のファンの人たちは分かってくれてるのだと思う。本当に熱心なファンがそこにいっぱいいるから、みんなのエネルギーをもらって、みんなで写真をとったんだよ。ぼくたちにとって、日本GPは特別なんです」と語っていた。

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