第55鉄 乗り物いっぱい富士山めぐり(後編)奇想天外なバスに乗る杉山淳一の +R Style(1/5 ページ)

» 2011年12月21日 06時37分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 乗り物いっぱい富士山めぐりの旅。前編では、富士登山電車で河口湖へ行き、オープンバス「KABA BUS」で森林浴を楽しんで、ほうとうでお腹いっぱいになったところまでお伝えした。でも、お楽しみはまだまだある。今回はトーマスランド号で富士山駅へ移動、バスを乗り継いで山中湖へ向かう。そこには奇想天外なバスが走っているのだ。

 →乗り物いっぱい富士山めぐり(前編) 富士登山電車とオープンバス

map 今回のルート。ここをクリックすると筆者による各ポイントについての説明が読める

2駅だけトーマスランド号に乗ってみた

 河口湖駅のバスロータリーに、古い電車が展示されていた。この電車は富士急行の前身「富士山麓電気鉄道」が、1929(昭和4)年の開業時に導入された電車「モ1号」だ。急勾配路線向けに電気ブレーキや砂まき装置をつけるなどの工夫をして、当時の最新技術を取り入れたという。富士登山電車の車体色は、この電車の色にちなんだのだろうか。見学用にホームが作られていて、車内をのぞける。ロングシートに抹茶色のモケット。いかにも昭和初期の上品な雰囲気だ。どんな音を奏でて走ったんだろうなあ……。

ピカピカに磨かれていた河口湖駅前の「モ1号」。富士急行のご先祖だ

 さて富士急行の終点、河口湖駅まで来たからここからは帰り道……なんてことは言わず、山中湖にも寄ってみよう。オープンバスの『KABA BUS』には兄弟がおり、彼は山中湖にいる。こちらが陸のKABA、あちらは水のKABAだという。山中湖へ向かうには、富士急行の電車で2駅だけ戻り、富士山駅から路線バスに乗る。せっかくだから、この2駅間は『トーマスランド号』に乗った。

 河口湖駅の構内には『トーマスランド号』と『フジサン特急』が並んでいた。フジサン特急は到着したばかりのようで、お客さんを降ろしたあと、そのまま進んでホームの先にある洗車機にかけられていた。雨が降りそうだから洗車は明日……なんてことはしないらしい。

 そういえば、富士登山電車も窓ガラスは透き通っていたし、トーマスランド号の窓もきれいだった。観光列車にもっとも必要なことは景色がよく見えること。富士急行さんはよく判っていらっしゃる。そういえば「モ1号」の窓もきちんと磨かれていた。

トーマスランド号とフジサン特急。どちらに乗りたい?(左)富士山駅までの2駅だけなのでトーマスランド号にした。国鉄の165系に似ているが、富士急行が自社発注した電車とのこと(右)

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