ノルウェー紀行、今回はブリクスダール氷河と世界遺産ガイランゲル・フィヨルドを紹介する。いずれも前回「世界遺産のネーロイ・フィヨルドとフロム山岳鉄道」で紹介したソグネ・フィヨルドの北に位置している。
自然豊かなノルウェーはフィヨルドのみならず、巨大な氷河があることでも知られている。そのうちの1つ、ブリクスダール氷河は年間30万人もの人々が訪れるスポットだ。ヨーロッパ大陸最大のヨーステダール氷河の支流にあたるブリクスダールは、風光明媚なだけでなく、アクセスが非常に良いので老若男女を問わずに楽しめる点も人気の秘密だ。
氷河の先端まで行くには、麓の駐車場からトロル・カーと呼ばれる車を利用するのが便利だ。これは大きなゴルフカートのような車で、標高差200メートル、全長3キロほどのつづら折りの山道をゆっくり登って行く。途中、氷河から溶け出した水が流れ落ちるブリクスダール滝など、美しい景色が目を楽しませてくれる。終点からさらに500メートルほど歩くと、視界が開け、目の前に氷河が現れる。
トロル・カーは朝8時15分から18時15分までの間、45分間隔で運行している。シーズンは5月〜10月だ。また、麓にはレストランや土産物屋もある。
一見すると美しいブリクスダール氷河ではあるが、実は地球上の多くの氷河同様、危機に直面している。地球温暖化により氷の溶解が続き、どんどん小さくなっているのだ。数年前の同じ時期の写真と見比べるとその差は明らかだ。温暖化の影響が直接見て取れるという意味で、氷河は重要な環境指標なのだ。
ブリクスダールのあるノルウェー南西部はフィヨルド馬の産地でもある。その名のとおりフィヨルド地域特有の品種で、色や体つきなどが、家畜馬の原種であるモウコノウマに最も近いとされている。4000年ほど前に家畜化され、以来ほとんどその姿を変えていない、極めて珍しい品種だ。
その昔、スカンジナビア半島のヴァイキングたちにも利用されていたほか、トラクターが普及する近年までは農耕用として飼育されていた。見かけが可愛らしいだけでなく、性格も穏やかで人なつこいため、現在では観光客向けの乗馬ツアーなどで活躍している。
ホテル・アレクサンドラ(Hotel Alexandra)は、ノール・フィヨルド(Nordfjord)最深部のローエン湖畔にたたずむ高級ホテルで、ブリクスダール氷河にほど近いため、ヨーロッパからのツアー客に人気が高い。トレッキングやスキー、サイクリング、釣りなどさまざまなアクティビティーが楽しめるほか、屋内設備も充実しており、冬場でも入れる温水プールやスパ、ナイトクラブなどがある。
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