レビュー
» 2012年01月13日 10時00分 公開

車は乗らなきゃ分からないことだらけ:新型インプレッサ G4とSPORTってどうよ?

今回は、G4 1.6i-L(2WD)とSPORT 2.0i-S EyeSight(AWD)という両極端な2種類のインプレッサに試乗。両極端なグレードは、性格も両極端でした。

[popo柿澤,Business Media 誠]

 第42回東京モーターショー2011の直前に発表されたインプレッサ。写真が公開されるなり聞こえてくる声は「レガシィみたいじゃん!」という声ばかり……。

 確かに見た目は先代のレガシィ(BP/BL)に良く似ています。個人的には好きなデザインですが、確かに目新しさは……なんて思っていると、「試乗車が入ったので乗りに来ませんかー?」とお声掛けいただいたので、早速乗ってきました。

 今回は、G4 1.6i-L(2WD)とSPORT 2.0i-S EyeSight(AWD)という両極端な2種類のインプレッサに試乗したインプレッションをお届けします。

popo柿澤

狭い場所での乗り降りがしやすくなった

 試乗する前に説明を受けて、関心を抱いたのがドアの開閉について。狭い駐車場などでの乗り降りの際、足は入るけど頭が通らないという経験をした人は多いのではないでしょうか?

 これはクルマの構造上の問題です。ほとんどのクルマが屋根に向かって車幅が狭くなっていくため、ドアを少ししか開けないと、どうしても頭の部分の開き具合は狭くなります。

 そんな状況を克服するために、新型インプレッサではヒンジ部分に角度を付けて、ドアの上部が大きく開くように調整されているとのこと。実際にドアを開けてみると、ドア上部が広く開くことが確認できました。インプレッサは世界戦略車にもかかわらず、駐車場が狭い日本市場を考慮した機能は実にありがたい。

両極端なグレードは、性格も両極端だった

 正直この2台を試乗して性格の違いに驚きました。「これ、ほんとに同じ車か?」と思わされます。

 外見や内装こそほぼ同じように見えますが、走りはまったく別物。1.6リッターモデルは2WDということもあり、とにかく軽い。停止状態からの発進でも、コーナリング中でもとにかくクルマの軽さを感じられます。

 一方、2リッターモデルは、乗り味がレガシィにかなり近付いた感があります。特に直進安定性の面では1.6リッターモデルとは段違い。1.6リッターモデルは「フワフワ」と感じましたが、2リッターモデルには「どっしり感」があり、とにかくクルマの動きが安定しています。目隠しをして乗せられたらとても同じクルマとは思わないでしょう。

排気量による力の差は?

 1.6リッター、2リッターともに新開発のロングストローク水平対向エンジン(FB型)をベースにしたエンジン。ロングストロークにすることにより、水平対向エンジンが苦手としていた低回転でのトルクアップに成功したエンジンです。

 その分、高回転でのフィーリングがいまいちになってしまったのですが、実用性を考えると素晴らしいエンジンに仕上がっています。特に1.6リッターは初搭載となります。

 その力の差は、スペックで見るかぎり1.6リッターモデルが85キロワット(115馬力)なのに対し、2リッターモデルは110キロワット(150馬力)と結構な差があります。しかし、実際に乗ってみるとその差はあまり分からない……。それどころか、1.6リッターモデルの方が出足が軽く感じられます。

 さすがに高速道路を走るようなスピード域に達すると2リッターモデルの方が明らかに余裕があるように感じますが、街乗りレベルならどちらを選んでも非力とは感じないでしょう。

 この感覚の差は、重量が大きく関係していると思います。今回試乗した2台は車両重量で90キロも違うのです。

足回りのセッティングはさすがスバル! と言いたいところだが……

 スバルは、SIシャシーになってから特にリアの動きが良くなった。それに加え、国内トップクラスの高剛性ボディがサスペンションの動きをしっかりと受け止めます。これはレガシィのみならず、スバル全車種に同じことが言え、軽自動車ですら手を抜かない足回りのセッティングには目を見張るものがありました(スバルの軽がOEM化されて非常残念)。

 インプレッサも例外ではなく、特に2リッターモデルは「お見事!」の一言。この価格帯で、あの乗り味は反則レベルだと筆者は思います。

 しかし、若干残念なのは1.6i-L。「何かこの車ふらつくんだよなー。特に高速域や荒れた路面で……」と営業さんへ問いかけてみると、返ってきた答えは「あー、やっぱり分かっちゃいます? 実はリアのスタビがないんですよねー。AWDではないというのも大きいと思うのですが……」と。

 価格を考えれば、これは仕方のないことだとは思いますが、やっぱり残念。もちろん街乗りレベルであればまったく問題ないし、約170万円〜という価格メリットも大きい。しかし、長距離ドライブに出かけると疲労感がまったく変わってくると思いますので、長距離ドライブを楽しみたい人には、2リッターモデルをお勧めします。

内装はインプレッサの領域を超えた

 内装は質感が全体的に向上し、レガシィに近づいています。今までのインプレッサは、レガシィのお下がり部品が多用されていました。そのため、レガシィからの乗り換えでインプレッサを検討すると、どうしてもそのお下がり感が気になってしまい、「やっぱインプレッサはいいや……」と、思った方も少なくないはず。

 しかし、今回のインプレッサは一味違います。全体的に質感が向上し、お下がり部品も最小限となりました。加えて、マルチファンクションディスプレイがスバル車で初搭載という目新しさもあります。

 現行のレガシィと比べるとさすがに質感が劣りますが、先代のレガシィからの乗り換えであれば、不満を感じることはないでしょう。

popo柿澤

スバル初搭載のマルチファンクションディスプレイとは?

 他メーカーの車ではごく当たり前となってきた、インフォメーションディスプレイがスバルに初搭載されました(1.6i-L以上のグレード)。

 後発ということもあって、情報表示量が非常に豊富なのが特徴。燃費に関する情報だけではなく、アイドリングストップ機能でエンジンが停止した合計時間や、それにより節約されたガソリンの量、VDC(横滑り防止装置)の制御状況や車のメンテナンス時期まで表示されます。

 なお、EyeSight装着車の場合は、EyeSightから得られる情報の表示機能もあります。ただ、情報が豊富に表示できる分、ページ数が多くなり、ページ切り替えが面倒に感じました。

popo柿澤

 現行のレガシィは、先代のレガシィに比べてかなり大きく立派になりました。その半面、その大きさがあだとなってしまい、先代のレガシィユーザーの中には、乗り換えずにそのまま乗っている人も多い。それどころか「5ナンバーだったころのレガシィが最高!」という人も少なくありません。

 筆者が思うに、2リッターモデルは、先代以前のレガシィに乗った人の乗り換えを意識し、1.6リッターモデルは軽さを武器に軽快な走りを求めるインプレッサに乗った人をターゲットに置いたために両極端な味付けになったのではないでしょうか。

 この2モデルを乗り比べれば、すぐに違いが分かると思います。購入する前にぜひ試乗して自分にあったモデルを選ぶことをお勧めします。なぜなら車は乗らなきゃ分からないことだらけなのだから。

popo柿澤
試乗車スペック「インプレッサ G4」
グレード G4 1.6i-L
価格 171万1500円
サイズ 4580×1740×1465ミリ(全長×全幅×全高)
燃費 ガソリン1リットル当たり17.6キロ(JC08モード)
最高出力 85キロワット(115馬力)/5600rpm
最大トルク 148ニュートンメートル/4000rpm

試乗車スペック「インプレッサ SPORT」
グレード SPORT 2.0i-S EyeSight
価格 233万1000円
サイズ 4415×1740×1465ミリ(全長×全幅×全高)
燃費 ガソリン1リットル当たり15.8キロ(JC08モード)
最高出力 110キロワット(150馬力)/6200rpm
最大トルク 196ニュートンメートル/4200rpm

試乗協力:

千葉スバル自動車株式会社 新港店

住所:261-0002 千葉県千葉市美浜区新港176-2

TEL:043-242-5111

営業時間:10:00〜19:30


popo柿澤の独り言

いやー、今回は2モデル乗った瞬間に「うまいことやりやがったなー」と思いました。現行レガシィが出たとき、大きさといい、乗り味といい、正直「え? レガシィユーザーを見捨てたのか?」と思いましたが、ここにきてしっかりフォローしてきたな! というのが正直な感想(現行レガシィはいい意味で大人な味付けになった)。ただ、なぜ小さい排気量が1.6リッターになったのか? 日本の税制を考えれば、1.5リッターで作るべきでしょ(先代は1.5リッターだった)。余談ですが、今回試乗した千葉スバル自動車 新港店は、スバルのCM撮影に使われた営業所です。TOKIOの山口さんに会えるかも! って会えるわけないか(笑)

※この記事は、誠ブログNEWインプレッサってどうよ?」を転載しています。

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