今週末見るべき映画『ル・アーヴルの靴みがき』(3/3 ページ)

» 2012年05月01日 13時40分 公開
[二井康雄,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
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Story

 マルセル・マルクス(アンドレ・ウィルム)は、フランスの港町ル・アーヴルで、靴みがきをしている。助手のベトナム人、チャングと並んで、駅や靴屋の前で客を待つが、なかなか客はいない。マルセルは貧乏だけれど、妻のアルレッティ(カティ・オウティネン)と、愛犬ライカとつましく暮らしている。パン屋のおばさんのイヴェット(イヴリヌ・ディディ)や、八百屋のおじさん、カフェのマダムのクレール(エリナ・サロ)とも仲良しで、みんなは、なにかとマルセル夫妻に親切にしてくれる。

 マルセルは、今日も駅近くで靴みがき。なんと客が銃で撃たれてしまう。稼ぎは少ないが、マルセルはちゃんとアルレッティに手渡す。食事の準備をするまで、カフェで一杯呑んできたらと、マルセルを送り出すアルレッティ。ところが、アルレッティは腹部に痛みを感じて、包丁の手を止める。どこか具合が悪いらしい。

 ある日、マルセルが、たまたま港に居合わせたとき、アフリカのガボンから、不法入国の人たちを乗せたコンテナが漂着する。マルセルは偶然にも、警察の手を逃れた少年のイドリッサ(ブロンダン・ミゲル)と出会う。マルセルは、港に隠れているイドリッサに、サンドイッチと水、少しばかりのお金を届けてやる。

 その夜、アルレッティが倒れる。マルセルは、イヴェットの車にアルレッティを乗せてもらい、病院に向かう。マルセルは、警察の腕利き刑事のモネ(ジャン=ピエール・ダルッサン)の捜査や、密告者(ジャン・ピエール・レオ)の手からイドリッサを守ろうとして、追われるイドリッサを匿うことにする。もちろん、近所の人たちもマルセルに協力を惜しまない。アルレッティの症状はおもわしくない。不治の病の宣告を受けたアルレッティは、「ご主人にも告知するのが義務」という医者に、しばらくは秘密にするよう頼む。

 イドリッサは、ロンドンにいる母親に会うために、ロンドン行きを願っている。イドリッサの話から、マルセルは、カレーの難民収容所にいるイドリッサの祖父を訪ね、ロンドンにいるイドリッサの母親の住所を聞き出す。そして、イドリッサをロンドンに送り出してやりたいと約束する。

エキサイトイズム

 警察がイドリッサを追っている。密航させてロンドンに向かわせるためには、3000ユーロもの大金がいる。カフェのマダム、クレールのアイデアで、マルセルたちは、ロック歌手のリトル・ボブのチャリティ・コンサートを企画する。別居しているリトル・ボブの夫婦仲を取り持ち、なんとかコンサートが開かれることになる。これが結構な客の入りである。やっとのことで、イドリッサを船に送り届けるが、密告を受けたルネたちが、港にやってくる。無事、イドリッサはロンドンに着けるのか。また、不治を宣告されたアルレッティの病気は……。

4月28日(土)より、ユーロスペースほかで公開

(C)Sputnik Oy


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