アウディは主力車種「Audi A4」のマイナーチェンジを実施し、4月3日から販売を開始した。Audi A4といえば、アウディの総販売台数の25%を占め、先代モデルのAudi 80も含めて全世界で累計1000万台を売り上げてきたベストセラーモデルである。
Audi A4が属する「Dセグメント」、つまり輸入ミドルセダンのカテゴリーでは、BMW 3シリーズとメルセデスCクラスが、いわば東西両横綱のような圧倒的な存在感を誇る。Dセグメントはどのメーカーにとっても売れ筋セグメントであり、よってBMWとメルセデス以外の海外メーカーも挙って主力モデルを投入しているが、やはりこの2モデルの牙城を崩すまでには至っていない。そんな中、Audi A4はモデルチェンジを重ねるごとに日本市場での販売台数を順調に伸ばし、今ではBMW 3シリーズとメルセデスCクラスに迫りつつあるという。
これまで、Dセグメントのドイツ車を選ぶに当たっては、スポーティさを好むならBMW、重厚感や安定感で選べばメルセデスと、両候補のキャラクターが比較的はっきり分かれていたため、選択に迷うことはあまりなかった。では、今その間に割って入ろうとしているAudi A4は、一体どのようなキャラクターを打ち出そうとしているのだろうか? 実際に試乗して確かめてみることにした。
日本国内で販売されるAudi A4(およびS4)のモデルは、全部で6種類ある。まずボディタイプが、セダンとワゴン(Avant)に分かれる。そしてそれぞれに、2リッター直列4気筒エンジンのFFモデルとクワトロ(フルタイム4WD)モデル、そして3リッターV型エンジンのクワトロモデル(Audi S4)の3モデルを用意する。
モデル | エンジン | 駆動方式 | ハンドル位置 | トランスミッション | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
A4 2.0 TFSI | 2リッター直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ | FF | 右 | マルチトロニック(CVT) | 440万円 |
A4 2.0 TFSI quattro | 2リッター直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ | 4WD | 右 | 7速Sトロニック | 523万円 |
S4 | 3リッターV型6気筒DOHCスーパーチャージャー | 4WD | 右/左 | 7速Sトロニック | 799万円 |
A4 2.0 Avant TFSI | 2リッター直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ | FF | 右 | マルチトロニック(CVT) | 458万円 |
A4 2.0 Avant TFSI quattro | 2リッター直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ | 4WD | 右 | 7速Sトロニック | 541万円 |
S4 Avant | 3リッターV型6気筒DOHCスーパーチャージャー | 4WD | 右/左 | 7速Sトロニック | 817万円 |
ちなみに今回試乗したのは、セダンのクワトロモデルである「A4 2.0 TFSI quattro」。搭載する2リッター直列4気筒エンジンは、直噴システムとインタークーラー付きターボチャージャーを備え、最高出力155キロワット(211馬力)/4300〜6000rpm、最大トルク350ニュートンメートル/1500〜4200rpmを発生する。これをエンジンルーム内に縦置きし、デュアルクラッチ式の「7速Sトロニック」ミッションと、おなじみのクワトロフルタイム4WDを組み合わせる。
エクステリアのデザインは、個人的には「文句なしにカッコイイ!」と感じた。マイナーチェンジ前からの変更点はさほど多くはないものの、ワイド&ロー、長めのフロントノーズに短めのフロントオーバーハング、ロングホイールベース、そしてシャープなラインをうまく配したフォルムと、いかにも「現代的なスポーツセダン」といった佇まいだ。アウディ独自のシングルフレームグリルも、全体のフォルムとよくマッチするデザインにまとめられている。
ドライバーズシートに収まったときの印象も、全体的にスポーティ色を強く感じる。シートの着座位置は低めで、自然と脚を前方に投げ出すようなドライビングポジションになる。ステアリングも、このクラスのセダンとしては小口径ものを採用。コンソールパネルもドライバー側に向けられており、全体的に「包まれ感」を感じる室内だ。
1つ気になったのが、足元のスペース。センタートンネルが右側に大きくせり出しており、左足側のスペースがかなり狭い。クラッチレスミッションなので、運転操作に特に支障はないものの、人によっては少し窮屈に感じるかもしれない。
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