目新しい装備に心が奪われそうになるが、そろそろ走行性能に目を向けよう。Dレンジを選んで、ぐっとアクセルを踏み込む。走りだした瞬間に600ニュートンメートルもの大トルクが発生して体がシートに押し付けられて、工場内の限られたストレートですら時速90マイル(時速145キロ)に達してしまう。発進した瞬間から最大トルクを発揮できるのは、モーター駆動のクルマならではである。
工場の敷地から一般道に出る最後のコーナーに進入する。パフォーマンスキットを装着するモデルでは、静止状態から時速60マイル(時速100キロ)までを4.4秒(ノーマルは5.6秒)で加速し、時速208キロ(ノーマルは時速200キロ)の最高速を発揮するというカタログ上のスペックはロードスターより控えめだが、実際に走らせた印象はモデルSのほうがスポーティに感じるほどだ。
高いコーナリング特性を得た理由は、センターグラビティの低さにある。重量物である電池を床下に低く搭載したことで、ステアリングを切ると次の瞬間にすっと鼻先を曲げていく。ステアリング操作やアクセル操作に対するレスポンスが高いことも幸いして、ドライバーの意のままに操れるスポーティなフィーリングを得た。高圧ダイキャスト製のアルミフレームで構成された剛性感の高いシャシーの採用によって、コーナリング時の姿勢も安定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング