次世代ジャンボがついにデビューした。世界の空で活躍した747-400の経験と実績を受け継ぎ、さらに新しいテクノロジーを加えて進化した「747-8インターコンチネンタル(747-8I)」である。この最新鋭機をどこよりも早く導入したのが、ドイツのルフトハンザだ。2012年6月1日、私はフランクフルトから米国ワシントンD.C.への初就航フライトに密着した。
機体前方に2階席があるため独特な形状をしたボディと、大きな主翼に装備されたパワフルな4基のエンジン。“ジャンボ機”ボーイング747はどの角度から見ても、遠くからでも、その個性的なシルエットで機種を確認できる。日本ではかつて、JALが世界最多の計100機を超える747を導入して「ジャンボ王国」などといわれ、いまも根強いファンが少なくない。
しかしこの10年間、エアライン各社は原油価格の高騰や金融危機に端を発する世界不況への対応策として効率化やダウンサイジングへの取り組みを余儀なくされてきた。一時代を築いた747ももはや「時代に合わない機種」となり、JALやANAをはじめ世界中のエアラインで退役が進んでいる。2012年4月にも、1973年から約40年にわたり運航を続けてきたシンガポール航空の747が、シンガポール/香港間の特別便を最後に翼を閉じたばかりだ。そのメモリアルフライトについては、この連載でのレポート「ジャンボよ、永遠に! シンガポール航空747-400ラストフライト搭乗記」でも詳しく報告した。
とはいえ、747の歴史がこれで終焉したわけではない。伝説の名機は「747-8インターコンチネンタル(747-8I)」という名で進化し、よみがえった。その新しい1ページを開くために重要な役割を果たしたのが、ローンチカスタマーとして2006年12月に同型機の導入をいち早く決意したドイツのルフトハンザである。
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