さて、いよいよレース本選のスタート時刻が迫り、各マシンがスターティンググリッドに並ぶ。前日に行われた予選でポールポジションを獲得したのは、中嶋一貴選手がタイムアタックを務めたトヨタ。続いて、2番手と3番手にアウディが付ける。
ちなみに、WECの出場車両は4つのカテゴリに分かれており、アウディ、トヨタの両ワークスチームが所属するのはトップカテゴリの「LMP1」。この両チームのほかにも、4チーム5台が出走し、その中には佐藤琢磨選手がドライバーとして名を連ねる「OAK Racing」チームも含まれていた。
またLMP1は唯一、ハイブリッド技術とディーゼルエンジン、それにハイブリッドカーに限り4輪駆動の採用が許されるカテゴリでもある。Audi R18 e-tron quattroは、まさにこのレギュレーションをフルに活用し、ディーゼル+ハイブリッド+4輪駆動の技術を惜しみなく投入したマシンだ。
その下のカテゴリ「LMP2」はプライベートチームのためのクラスで、今大会では10台がエントリー。中野信治選手がドライバーを務める「ADR-Delta」や、井原慶子選手がドライブする「Gulf Racing Middle East」も、このカテゴリに所属するチームだ。また、このカテゴリのマシンに搭載されるエンジンのほとんどが、日産とホンダから供給されていた。
これらプロトタイプカーのカテゴリのほかに、市販車ベースのGTマシンのカテゴリ「LMGTE」クラスもある。ベース車両の多くはフェラーリ458イタリアとポルシェ911 GT3 RSRが占めるが、シボレー コルベットやアストンマーチンをベースにしたマシンも走っている。今大会ではプロクラス5台、アマチュアクラス6台が出走し、LMP1/LMP2のスポーツプロトタイプカーと混走しながらクラス順位を争った。
スタート前のグリッド上では、ドライバーやメカニック、チーム関係者に加え、多くの報道陣や招待客もこれに入り混じり、さらにはマーチングバンドまで登場して実に華やかな雰囲気。トヨタのマシンの傍らには、中嶋一貴選手の父親で、かつて日本人初のF1フル参戦ドライバーとして活躍した中嶋悟さんも駆けつけていた。
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