シムドライブのEV「SIM-CEL」、「突き抜ける加速感」でクルマの魅力を追求(1/4 ページ)

» 2013年04月01日 12時54分 公開
[朴尚洙,MONOist]
MONOist

 電気自動車(EV)の技術開発ベンチャーであるSIM-Drive(シムドライブ)は2013年3月27日、東京都内で会見を開き、2012年2月から約1年間かけて開発してきた試作EVの第3号車「SIM-CEL(シム・セル)」を発表した。

SIM-CEL シムドライブの試作第3号車「SIM-CEL」、福武總一郎会長(左)と清水浩社長(右)

 第1号車の「SIM-LEI」、第2号車の「SIM-WIL」と同様に、満充電からの走行距離(JC08モード)で300キロ以上を維持しながら、Cd値(空気抵抗係数)が0.199と極めて小さい外形デザインや、炭素繊維複合樹脂(CFRP)製による軽量ボディの採用、同社EVの最大の特徴であるインホイールモーターの大幅な改良などによって、静止状態から時速100キロまでの加速時間を高級スポーツカーと同等以上の4.2秒を実現した。

 EVの燃費に当たる電量消費量(JC08モード)についても、国内トップとなる1キロメートル当たり91.2ワット時を達成。さらに、スマートハウスやスマートシティとの連携を想定した「スマート・トランスポーテーション」機能も搭載する。また、インホイールモーターによる4輪独立制御機能などを特徴とする第4号車の開発を始めたことも併せて発表した。

26の参加組織から74種類の技術

 シムドライブの清水浩社長は、「1号車のSIM-LEI、2号車のSIM-WILとも、完成した際には、『現時点で最高のものができた』という手応えがあったが、3号車のSIM-CELはこれらをさらに上回る完成度で、もはや何と言っていいのか分からないほどだ。これまでの2台では、EVでも十分な走行距離が実現可能なことを証明するのに注力して開発を進めていたわけだが、EVも自動車である以上、ぜひ購入したいと思えるような魅力も必要になってくる。SIM-CELは、突き抜ける加速感と乗り心地によって、魅力的な電気自動車に仕上がった」と語る。

 SIM-CELは2015年に量産化されるEVを想定して開発された。26の組織(企業・団体)が参加し、提供された74種類の技術を搭載したという。車名のSIM-CELのCELは、Cool Energy Linkの略となっている。これは、特徴の1つであるスマート・トランスポーテーションによって、余分な熱を排出しない(Coolな)再生可能エネルギーをより有効活用できるようになることを意図して採用された。

SIM-CELSIM-CELSIM-CEL 26の参加組織が「SIM-CEL」に提供した74種類の技術(出典:シムドライブ)
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