ボーイング777-300ERに搭載されたJALの新しいビジネスクラス「SKY SUITE 777」。成田からニューヨークへ向かう006便のキャビンに足を踏み入れると、そこにはこれまでの各社のビジネスクラスとはまったく異なる空間が広がっていた。私自身のフライト体験記と、開発に携わった“裏方”たちのインタビューで構成するJALレポートの4回シリーズ──第2回テーマは「個室型フルフラットシート」だ。
午前10時40分、成田空港第2ターミナルの63番ゲートから搭乗が始まった。私は同行の写真家、倉谷清文氏とともに、上級クラスの優先搭乗レーンからボーディングブリッジを進む。搭乗機の入口でCAたちに笑顔で迎えられ、キャビンに足を踏み入れると、倉谷氏はその場に立ちすくんで「これ、本当に飛行機の機内ですか?」と声に出してつぶやいた。
確かにそうだ。飛行機に乗るというより、どこか一流ホテルにチェックインして部屋に通されたような感覚に近い。パーティションで囲われた長方形の個室型ブースが、2本の通路をはさんで横一列に“2-3-2”配列でレイアウトされている。私のシート番号は「12K」──進行方向右手の窓側席だが、先に着座していた通路側席の乗客をまたぐ必要もない。隣り合う座席を前後にずらして配置することで、どの席からも通路へダイレクトにアクセスできる“道”を生み出している。
隣席との間を仕切っているのは、可動式のスクリーンだ。スクリーンを開けておけばカップルなどは普通に会話が楽しめるし、個人での利用者は離陸後にスクリーンを上げてしまえば、そこはまさに完全なプライベート空間に。他の乗客の存在も忘れ、自分だけの時間に身を委ねることができる。
到着後の予定に備えて身体をゆっくり休めたい。誰にも邪魔されない個室空間で仕事に集中したい。あるいは、上空でのひとときを心ゆくまで楽しみたい。10時間を超すロングフライトに何を求めるかは、利用者それぞれだ。そのどんな要望にも応えるプロダクト&サービスとして登場した、JALの新しいビジネスクラス「SKY SUITE 777」。開発チームの一人である顧客マーケティング本部・商品サービス開発部の藤島浩一郎氏はフライト後の私のインタビューで、その“舞台裏”を詳細に語ってくれた。実はSKY SUITE 777のシートは、あるファーストクラスのシートがモデルになったという。
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