ベトナム航空で成田からホーチミンへ:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(5/5 ページ)
深みのあるブルーグリーンに塗られた機体が印象的で、機内では民族衣装アオザイに身をつつんだクルーたちが出迎えてくれる。そんな個性豊かなエアライン、ベトナム航空を利用し、成田からホーチミンへ飛んだ。
スカイチーム塗装機でダナンへ
到着後、私は隣接する国内線ターミナルに向かった。暑さと湿度に身体が驚いているのが分かる。カウンターでダナン行きの搭乗券を受け取り、ふと横を見ると、成田からの機内で会ったTさんも同じ便への乗り継ぎ手続きをしていた。彼女の隣に、長身の男性が寄り添っている。遠距離恋愛の彼とどうやら無事に落ち合えたようだ。
搭乗開始のアナウンスを待って、1階ゲートからバスで移動する。ダナン行きのVN1320便はターミナルからかなり離れた場所に“沖止め”されていた。使用機材は成田路線と同じエアバスA330-200だが、こちらは日本ではあまり見る機会のないスカイチームカラーの塗装機だ。ベトナム航空は2010年6月に航空連合スカイチームに正式加盟し、世界へのネットワークを拡大している。10月30日から始まる2011年冬スケジュールからは、成田での使用ターミナルも、従来の第2ターミナルからスカイチームメンバーが集う第1ターミナル北ウイングに移転。Cアイランドでのチェックイン手続きとなり、ラウンジもデルタ航空の「デルタスカイクラブ」を利用できるようになる。
私のシートは、前方から3列目の通路側だった。Tさんとその彼は、私の横を通り過ぎるときに一瞬立ち止まり、軽く会釈してくれた。2人で、どのあたりを旅するのだろう? 私はこれから、ホイアンとフエの旅を始める。その様子は別掲のレポート「ベトナム中部紀行。ホイアンとフエ、2つの世界遺産の街を歩く」をご覧いただきたい(2011年9月30日掲載予定)。
著者プロフィール:秋本俊二
作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各メディアにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活動。
著書に『ボーイング777機長まるごと体験』『みんなが知りたい旅客機の疑問50』『もっと知りたい旅客機の疑問50』『みんなが知りたい空港の疑問50』『エアバスA380まるごと解説』(以上ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)、『新いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)など。
Blog『雲の上の書斎から』は多くの旅行ファン、航空ファンのほかエアライン関係者やマスコミ関係者にも支持を集めている。
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