冗談じゃなく本当に公開しちゃった『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』:あの映画ざっくりレビュー
11月3日公開の映画『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』。(笑)は筆者が勝手に付けたものではなくて正式タイトル……という冗談のような映画。
『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』はざっくりいうと、「お〜前もサラリーーマンにしてやろおぉかああぁぁぁぁー!!!」っていう話。もうちょっと詳しくいうと、クチサキザウルスな中西課長が今時のワカモノ新庄くんをNEO風サラリーマンにする話。
NHKの人気名物コント番組『サラリーマンNEO』が映画になった! 冗談じゃなく本当に公開中だが、中身は基本冗談です(笑)。時々、うんちくのような人生訓のようなセリフも出てくるものの、それを台無しにしちゃうシーンもたくさんあってしんみりするのは難しい。映画版オリジナルの一貫したストーリーの中に名物コントやキャラが混じってきて、サラリーマンNEOファンは「キターーー!」っていう感じ。番組を見ていなくても、生瀬勝久主演のネオサラリーマンコメディ映画としてまあまあ楽しめる。特に影の薄ぅ〜い部長がそれまで存在を消しきって挑む一発ギャグは渾身の一撃(笑)。映画版ってどうなのよ? という点について、冒頭でキャスターの中山ネオミに「こういうの無謀っていうんですよね」と言わせて始まり、エンドロールの「映画を読む」で「視聴率5%にもみたない番組を映画にするとわ!」と自虐ギャグで締める構成。ストーリーは上記の漫画みたいな感じ。あ、麻理子さまは受付嬢とコスプレキャバ嬢やってます。
あらすじ
新庄誠がようやく就職したのは業界5位のビール会社「NEOビール」。入社早々、阪神ファンの中西課長に7時出社を言い渡されて文句を言うと、「今日からお前がサラリーマンだから」の一言で片付けられる。会社の古い体質に辟易(へきえき)して、ベンチャー企業に転職を考える新庄だが、思いつきで出した「セクシービール」の企画が通ってしまい、プロジェクトリーダーに抜擢される。だんだんとやりがいに目覚める新庄。中西課長の無理難題にもめげず、プロジェクトが起動に乗ったころ、業界1位の大黒ビールが「セクシービール」の開発を発表する。一旦白紙に戻る「セクシービール企画」。果たして、業界5位の会社は、このまま諦めてしまうのか? それとも業界1位の会社に挑んでいくのか?
櫻井輪子(さくらい・わこ)
映画好きが高じて、コラムを書いたりもするイラストレーター。『WOWOWマガジン』『問題小説』『てぃんくる』などでイラストコラムを執筆。『Tokai Walker』の金子裕子さんのコラム「セレブ診療所」にコマ漫画を付けている。過去には『DVD&ビデオでーた』でビデオレビューのイラストコラム、『DVDでーた』で記者会見をレポするコラム『現場から櫻井輪子でした』を連載。
著書に『「へのへのもへじ」から始める 世界一カンタン! イラスト練習帳』がある。公式サイト「SakuraiWako'sめカラうりぼう」。
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