ソウルまで6980円〜、エアアジア・ジャパンが成田−仁川線就航(2/2 ページ)
LCCのエアアジア・ジャパンが国際線の就航計画を発表した。成田ー仁川線を10月28日から1日1往復運航する。価格は6980円〜2万9980円(片道)。
成田はLCCにとってアンフェアだ
必要な人だけがコストを負担するという考え方は、受託手荷物(機内預け荷物)料金にも表れている。国内線の場合、15キロまでの受託手荷物料金は799円(インターネット予約とコールセンター予約の場合、空港カウンターでの申し込みは2000円)だった。もちろん、機内預け荷物がない人は0円だ。
国際線では受託手荷物料金が999円〜になった。これは、成田発着の国際線で使う共通のバゲージハンドリングシステムの利用料が高かったからだ。
「システム利用料として1機当たり8万5000円と定められている。これは、ジャンボジェットでも小型機でも同じ。LCCにとってはアンフェアな料金設定だ。今後も料金交渉を進めていく」(岩片社長)
一方、初の国際線の就航先に仁川を選んだ理由は、仁川国際空港がLCC誘致に熱心だったからだという。担当者が来日し、同空港のLCC誘致に関する計画や、今後、同社の就航便が増えた場合にどのような追加メリットが得られるのかなどをこと細かく説明したという。
第2拠点はセントレアが有力、今後フィリピン線なども検討
韓国との2路線の就航を発表した同社。2013年末には運用機材を10機程度まで増やす予定で、「日本から4時間圏内」の新航路も視野に入れている。記者発表会で岩片社長が挙げたのは、台湾、中国、フィリピンなど。特にフィリピンについては、英語学習のための留学生が多いことを指摘しながら、「内向き思考になってしまった日本の若者を変えていきたい」という。
領土問題で火種を抱える韓国、中国線就航のリスクについては「国際線を運航するということは、国際政治的なリスクは避けられない。ただし、現在のような状況を解消するためには民間による草の根交流が重要だと思う」と語った。LCCのビジネスモデル上、公務や出張などのビジネス客の利用が少ないことにより、業績に与える影響も小さいとみている。
成田空港への不満を明らかにしたエアアジア・ジャパンだが、第2拠点として中部国際空港(セントレア)との交渉は順調に進んでいるようだ。「拙速は避けたいが、出来る限り早く」(岩片社長)として、2013年前半を目標に拠点化を行うものとみられる。ただし、主拠点空港は成田のままで変わらない。第3、第4の地方拠点として北九州空港や仙台空港なども視野にいれるという。
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