“ランに特化”で何が変わる? アディダスのiPhone連携スマートウオッチを試す:「miCoach FIT SMART」でスマートになる夢をみた(3/3 ページ)
今日は暑いから。飲み会があるから走れないよ。仕方ないじゃない。……ええ、都合のよい理由なのは分かっています。休眠中皇居ランナーの自堕落系女子でも、ラン専用のスマートウオッチで意識が変わるのでしょうか。
装着感は上々 実際に「どう走ればいい」のか教えてくれる
朝。数カ月ぶりにランウェアに着替え、これまでのラン用ウオッチではなく、miCoach FIT SMARTを腕に着けました。
当初は見た目が大ぶりと感じましたが、ケースやバンドがシリコン素材で手触りがソフトなので、着け心地は悪くありません。重量は49グラム。装着して腕を振っても重さはほとんど感じず、装着時の違和感も気になりません。普段時計をしない人でもすぐ慣れる範囲と思います。
miCoach FIT SMARTを腕に着け、スマホアプリ「miCoach trail&run」からトレーニングプランを選んで送信。そこから心拍数の初期計測が始まります。
計測した初期の心拍数を基準に、自分の目的(わたしの場合は”減量/ダイエット”)に適する心拍/負荷を維持するよう、時計(時計が光る色)とスマホが示してくれます。心拍数に応じて時計の発光色がブルー、グリーン、イエロー、レッドと変わります。発光色がブルー(低負荷)でゆったりと走っていれば「もっと早く走って」という指示が出て、イエロー(やや高負荷)に行ってしまうと「もっとゆっくり」と指示が出るという具合です。まるでコーチが併走しながら、マンツーマンで指示してくれている感覚が得られます。
自分では「もう限界」と思っても、ブルーを示しているならば、心拍数は上昇しておらず、まだまだいけるはずなのです。ひとりでは甘えてしまうところを「ほら、もっとがんばって」と支えてくれれば、わたしもがんばれるわけですね。
「次はこうしよう」と意欲が続く 「継続のため」の強い味方になってくれるラン用ウオッチ
時計に「もっと早く」「ゆっくり」といろいろ言われつつ、皇居1周約5キロを走り終えました。ラン後に、スマホと同期すると「週間目標」の進ちょく率を示してくれます。
久しぶりだったのでペースの感覚を忘れていたのか、全体的に心拍数が高くなりすぎた(負荷をかけすぎた)ようです。また、わたしは3〜4キロ地点あたりで心拍数が安定してくることとか、最初の1キロまでが一番苦しく感じていることとか、いろいろな状況が分かりました。
こういった自身の感覚では分かりにくい部分も、きちんとした計測データによって正しく管理してくれると、「つらすぎるのでもういい」となるリスクは減ります。というか、タスクを達成するために半ば強制的にトレーニングをさせられるのが、「次はこうしよう」と意欲が続くポイントになるようです。
miCoach FIT SMART自体の操作は簡単です。ただ、スマホアプリでの操作や最初設定がちょっと煩雑で、最初のとっかかりはけっこう大変でした。また、計測データをアップロードして管理できる連携Webサービスでも自分のトレーニングの記録から、傾向や対策を考えられるらしいけれど、わたしにはちょっと難しく、それなら最小限でよいかなと感じました。ちなみに、ワークアウトの履歴メニューより、どのカラーゾーン(心拍数の領域)で多く走れたかのより深い管理や考察、さらにFacebookなどのSNSとも連携できます(投稿すれば、“せざるを得ない”……の効果)。自分に甘くなりがちなところをうまく助けてくれます。
ともあれ、当初の「どれほどかな〜」という予想以上に、「継続する気持ち」が再び出たことに驚きました。ランニングって基本はひとりでがんばるスポーツです。どうしても甘くなってしまう「ひとりラン」の人はもちろんですが、仲間がいても、それぞれに適する負荷レベルが違います。そもそも無理しちゃうと続きませんし、がんばったのに効果がなければ、やはりやる気をなくしてしまうことでしょう。
約7割がはじめて半年以内にやめてしまう。約67%が6カ月間は続かず、中には1週間でやめる人も約12%いる。ランニングブームは続いており、新たに始める人も多いようですが、メーカーや業界はこんな課題を抱えています。それは「身の丈以上にがんばりすぎてしまう」ことが一因と言われています。
これに対し、「継続のため」の強い味方になってくれるラン用ウオッチは、ウエアやシューズと同じくらい必要なものと気がつきました。iPhoneとつながる──的なスマートウオッチがいくつも登場していますが、miCoach FIT SMARTはランニング用に特化することで、ほどよく分かりやすく作られています。なによりランニングを楽しむ人、特にランニングを新たに始めようとしている人は、「トホホ……」とならないよう、最初から導入しておくとよいと思います。
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