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Microsoftの中小企業向けCRMへの参入が市場に与える影響──Datamonitor調査海外リサーチ情報<Datamonitor>

» 2004年08月11日 00時00分 公開
[Datamonitor]

 イーシーリサーチは、英Datamonitorによる、Microsoftの「中小企業向けCRM」(スモール・ミディアム・エンタープライズCRM、以下SME CRM)市場への参入が与える影響について調査結果を発表した。

 1990年代後半から2000年にかけては、CRM市場は大企業に特化した製品が大半を占めていたが、大企業向けCRM市場が成熟期に入った現在では、SME CRM市場に目を向ける大手ベンダーおよびベンチャー企業が増えてきた。

 Microsoftも、2003年より、「.NETフレームワーク」「SQLサーバレプリケーション」といったコアテクノロジーをベースとした戦略で、SME CRM市場に参入。オフィスソフトウェア製品の普及で他社の優位に立つMicrosoftは、.NETフレームワークやOutlook、Microsoft Active Directoryなど、知名度の高い製品との連携ソリューションを提供できるため、中小企業での採用率の向上につながるとDatamonitorでは予想している。

 特に、SME CRM製品と抱き合わせで.NETフレームワークを導入させることに成功すれば、その他中小企業向け製品の市場へ足がかりとなり、中小企業の市場でシェアを伸ばしたいMicrosoftにとっては大きな意味をもつとみている。

 同社の参入を迎え撃つ競合企業のなかで、Siebel、Oracle、SAPといった大手企業に向けてCRM製品を提供してきたベンダーは、中小企業向けにサイズダウンする課題を抱え、Onyx SoftwareやPivotalなど、SME CRMに特化した製品を提供してきた企業は、新ソリューションの提案や製品コストの低減での出遅れが懸念材料として挙げられる。各企業がどれだけ課題を克服できるか、それに対してMicrosoftがどのような差別化を図れるかで、今後の市場は大きく変化すると同社ではみている。

グラフ SME CRM市場における競合企業の関係図(クリックで拡大表示)

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