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メール攻撃は統合型、標的型にシフト――MessageLabs報告書

» 2006年07月07日 08時08分 公開
[ITmedia]

 電子メールに占めるスパムの比率が再び上昇し、ウイルスやフィッシングは標的を絞った攻撃にシフトしつつある――。セキュリティ企業のMessageLabsが7月6日に発表した6月のセキュリティ動向報告書でこう指摘した。

 6月の電子メールトラフィックに占めるスパムの比率は64.8%となり、前月比で6.9%上昇した。4〜6月期では60.4%で、前期比でほぼ横ばい、前年同期比では7.8%の減少となっている。電子メールのセキュリティソフトを回避するため、スパムの標的は携帯電話のテキストメッセージやWebベースのIM、ブログ、MySpace.comのようなソーシャルネットワーキングサイトへと広がっているとMessageLabs。

 ウイルスは6月の統計では電子メールの101通に1通の割合となり、前月比で0.5%減少した。4〜6月期では前期より0.7%減少、前年同期比で1.4%減少して、68通に1通の割合だった。その一方で、企業や組織から知的財産を盗み出すことを目的に標的を絞ったトロイの木馬攻撃は6倍に増加。2005年には週に1〜2件の割合だったのが、現在ではほぼ1日に1件の割合になっているという。

 フィッシング攻撃を含んだメールは6月の統計で前月比0.12%減少し、531通に1通の割合(0.19%)となった。4〜6月期では377.4通に1通(0.26%)の割合で、前月比より0.02%減っている。しかし犯罪組織の関心がマルウェア作成からフィッシングに移りつつある中、電子メールを大量にばらまく形の攻撃は減少が続き、標的を絞った巧妙な攻撃が増えるとMessageLabsは予想する。

 全般的な傾向として、攻撃に使われる媒体は電子メール、インスタントメッセージ、Webなどが組み合わされるようになり、攻撃手段はスパイウェア、スパム、ウイルス、フィッシングなどの組み合わせが増える傾向にあると報告書では指摘。かつてスパマーとウイルス作者は別々の存在と見られていたが、これが一緒になり、さらにスパイウェアが加わる傾向にあると解説している。

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