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「ユーザー」×「メーカー」×「訴えます」International Feel:

» 2004年03月02日 22時09分 公開
[松尾公也,ITmedia]

「SCO」×「ユーザー企業」

 「2週間遅れの便りを乗せて」届いたあの人からの手紙は、「訴えます」という内容だった。予告されていたことではあるが、「知名度のある企業」2社を提訴することをSCOが明らかにした

 耐えきれず、沈んでいくユーザー企業もいる。Linuxを使ったホスティング会社、EV1Servers.netはいち早く白旗を上げた。同社は「顧客に安定感と信頼感を示すことが重要と考えた」と説明している。SCOとの資本関係はまったくないと強調する同社は、500人の従業員を抱え、ホスティングしているウェブサイトは100万以上、年間7000万ドルを売り上げているというから、その影響はけっして小さくはないはずだ。SCOはSCO、Linuxライセンス契約受付サイト開設し、ユーザー企業の切り崩しを図ろうとしている。プログラマーはSCOからの攻撃は無問題と考えているが、経営者のほうはどうだろうか?

 さて、SCOのユーザー訴訟、ターゲット第1弾はいったいどこになるのか。SCOの次なる照準が日本に向けられているのは、すでに公表されている。EV1Servers.net、そして提訴される2社の対応には日本企業からも注目が集まるはずだ。例えば、大規模なウェブホスティング会社といえば、NTTが筆頭株主のVERIOが挙げられることを思い出す人も多いだろう。【追記】3月4日早朝、2社の名前が公表された。予想は外れたが、ビッグ3を含む自動車関連ということもあり、日本の産業界はいずれにせよ対応に追われることになるだろう。

 一方、IBMをはじめとするメーカーとの闘争については、ちょっとだけ進展。SCOの対IBM訴訟拡大を裁判所が認可し、修正された訴状内容に従って、SCO vs. IBMの法廷闘争が行われることになる。SCOに有利な裁定になったと早とちりしてはいけない。IBMが企業秘密を横領したという訴えを取り下げ、著作権侵害の申し立てを追加するという内容で、IBMは異議を唱えていないので、すなおに認められたというわけ。

「Apple」×「ラッパー」×「Apple」

 AppleがAppleを訴えるの件は、昨年末のBeatlesの管理会社はiPodにご立腹という記事で既報だが、Apple Computerは“8 mile”エミネムのご機嫌も損ねたようだ。この押しの強い若者には、スティーブ・ジョブズの現実歪曲空間攻撃も効かなかったようで。マネジャーと話をしたってのがまずかったかな? ところで、Apple(The Beatlesの版権会社のほう)とラップミュージックは“Gray Album”問題で対立関係にあるはずだが……。

 でも、ポール・マッカートニーはMacユーザーで、シーケンサーソフトをバリバリ使っているし、リンゴ・スターも、現在建設中の音楽スタジオはMacベース。ポールやリンゴがお怒り、というわけではないような気が。

 そんなAppleにも少しいい話。G5にWindows NT搭載──「Xbox 2」SDKの配布開始かという記事によれば、次期Xboxの開発環境にはPower Mac G5が使われるらしい。確かにWindows NTはPowerPCで動いていたことがあったし、MicrosoftのMacBUを率いていたケビン・ブラウン氏はXboxチームに異動になった。日本のMacBUもXboxチームと人事交流があるし。本当なら、とても面白いのだけど。

CloseBox

 またまたOrkut話。執筆時点(3月2日21時26分)で、5295人の日本在住の人が写真付きで登録している。全世界では4万8036人というから、1割以上は日本に住んでいる人が登録しているということだ(日本人とは限らない)。日本語がほとんど通らないことを考えれば、この普及度は面白いくらい高い。

 この程度の狭いコミュニティだから、安心して使える。どんどん広がっていくとは思うが、それでも紹介制であることと、記載項目の多さと匿名でないことが、「荒れる」ことへの足かせとなるだろう。

 Macユーザー関係が異常に多いという偏りのおかげで、さんざんお世話になっていながら不義理にしていた方々に、多少なりとも近況をお知らせすることができた。日本語が通らない分は、メールで直接やり取りすることもできる。これが、インスタントメッセージングやボイスチャットと緊密に連携すれば、もっとすごいコミュニティになるのは間違いない。匿名掲示板とは違う、ノイズがとても少ないコミュニティに。

 ところでこのOrkut、どう発音したらいいのか気になったので調べてみた。ニュースサイトは軒並み(ITmediaを含め)、「オークト」となっているのだが、Orkutのヘルプを見てみると、“Or”の「オー」と“Cut”の「カット」を組み合わせた発音らしい。でも、このヘルプには、Orkut開発者のファミリーネームである“Buyukkokten”の発音は書かれていない。「ブユコッテン」としか読めないのだけど。「ブユコッテン」氏のStanford大学時代のホームページに行っても、その謎は解けなかった。

 そうそう。このOrkutのアイデアはGoogle社内のアイデアリストから生まれたものらしい。

 デビッド・コーシー氏のAnchorDeskでの見解は、Orkutの海を泳ぎわたる上で、参考になるだろうか? 取り上げているのはビジネス的要素が強いLinkedInなので、多少外れているかもしれないが、「自分は親友だと思っていたのに、向こうはそれほどでもなかった」という心配は、Orkutにも転がっている。invitationを出したのに返事がないと、不安で眠れなかったりして。

 ぜんぜん関係ないけど、MP3プレイヤーについて語っているAnchorDeskコラムの著者名でレンズマン思い出した人っている?

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