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Google、新SNSサービス「Google Me」でFacebookに対抗?

» 2010年06月29日 14時35分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 あまりに古典的なパターンの「仕返し」だ。

 米Facebookが検索分野で対Google戦略を練っているとの情報が浮上するや否や、今度は、Googleがソーシャルネットワーク分野でFacebookの牙城の切り崩しを狙っているとの情報が、ほかでもない、ソーシャルニュースサイトDiggの共同創業者であるケビン・ローズ氏から発せられた。

 ローズ氏は6月26日、次のようにツイートしている。

 「すごいうわさを耳にした。GoogleがFacebookの競合サービスとなるGoogle Meをまもなく立ち上げるらしい。非常に信頼できるソースの情報だ」

 詳しい情報を求めてGoogleに問い合わせたが、まだ返答は得られていない。もっとも、いずれによせ、おそらく同社の広報担当者は「うわさや憶測にはコメントしない」と言ってくるだけだろうけれども…。

 だがGoogle Meとはどんなものになるのだろう? 既にGoogleは、リアルタイムでメッセージを送受信できるソーシャルサービス機能「Google Buzz」をGmailに組み込んでいる

 Facebookでは、ユーザーのプロフィールは共有ユーティリティと緊密に結び付けられているが、BuzzはユーザーのGoogleプロフィールとそれほど密接には結び付けられていない。

 例えば、Buzzから自分のプロフィールページ――自分のデータを確認して管理する程度の機能しかないけれども――にアクセスするには、Buzz内のリンクをクリックして別のページに行かなければならず、これは結構、厄介だし、面倒くさい。

 Facebookなら、ログインするだけで、自分のプロフィールにも、自分がフォローしている人たちのプロフィールにも、すぐにアクセスできる。一方、Buzzの場合はログオン後にあちこち飛び回らなければならない。Buzzでも、リンクや写真、動画を共有できるが、どちらかといえばFacebookよりもTwitterのような使い勝手だ。ネットワーク性が低いのだ。

 クリス・サード氏はGoogle Meについて、プロフィールのソーシャル共有機能を強化したようなものになるのではと指摘している。それなら歓迎だ。だが、Google Meでは完全なソーシャルネットワークが提供されるのだろうか? Googleプロフィールでは人々はほとんどつながっておらず、そうしたつながりを提供するために用意されたのがBuzzだ。

 もう1つ、GoogleはSNSサービス「Orkut」も運営している。Orkutでは各種のソーシャル情報を1カ所で共有できるようになっており、全世界で1億人以上のユーザーが利用している。そのため、Google MeはGoogle BuzzとOrkutを混ぜ合わせたものになるのではと想像されている。

 Buzzは人気獲得に苦戦を強いられており、一方のOrkutはブラジルやインドなど一部では人気を博しているものの、それ以外の地域では普及していない。Facebookは誕生から6年が経ち、その間に5億人近くのユーザーを獲得している。

 つまりはこういうことだ。Googleがソーシャルネットワーキングの分野でFacebookに戦いを挑むのは、Facebookが検索の分野でGoogleに戦いを挑むようなものなのだ。

 ユーザーはFacebookのソーシャルサービスに満足しており、そこには彼らの友人(そして、さらにそのまた友人)も多数集っている。一方、ユーザーはGoogleの検索にも満足しており、そこにはビジネスや場所など、さまざまな情報がすべて集まっている。

 この両方の分野で何か技術的な改良がなされない限り、そして、それに付随して消費者の側からユーザー行動のシフトが起きない限り、この2つのサービスは決して真っ向からやり合うようなことにはならないだろう。

 とは言え、わたしとしては、Googleプロフィールの機能をもう少し充実してもらえると嬉しいのだけれども…。皆さんはいかがだろう?

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