人に話すことでアイデアを生み出す平本メソッド アイデアを生み出すための26の方法(1/2 ページ)

創造性を高めるための26の方法、「紙を使った発想法」に続く第2回は、「人に話す・口に出す・言葉にする」手法を使った発想法を8つ解説します。

» 2006年08月07日 22時15分 公開
[平本相武 (構成:房野麻子),ITmedia]

5 人に話す

今回紹介する手法
1紙に書き出す
2図で表す
3絵を描く
4ジオグラフィ
5人に話す
6インプロシンキング
7たとえを使う
8イメージする
9タイトルをつける
10象徴するものを見出す
11魔法の杖
12誰か宛てにメールを書く

 「こういうことをしてみたいと思っているのだけど、どう思う?」と、アイデアを、仲間や友達に言ってみましょう。また、飲み屋のお兄さん、自分の娘や家族など、全然違う業種の人に話してみると、案外、簡単に答えが返ってくることがあるものです。というのも、この業種では常識といわれていることが他業種では非常識、その業種だと未発達だったことが他業種だと発達している、ということがあるからです。

 場合によっては、同業他社やライバルに話してみるのも面白いかもしれません。企業秘密もあって、あまり話せないこともあるかと思いますが、思いも寄らないことを言ってくれるかもしれません。ちゃんとした答えではないかもしれないけれど、発想は得られます。

 また、話すときに使う脳は、頭で考えるときに使う脳とは違う脳を使っています。話している最中に、「やっぱりこれかな」なんて、一人で納得することもある。つまり、口に出すことが大事なのです。

6 インプロシンキング

 インプロシンキングとは、インプロビゼイション(=即興)と、シンキング(=思考)が組み合わされた言葉。つまり、即興で考えることです。2人以上で、テーマに沿ったアイデアを順番に即座に言っていきます。

 例えば、「自分の好きなもの」を、とにかく絶やさず、順繰りに山手線ゲームのように言っていきましょう。自分の順番がきたら、とにかく即座に言わなければいけません。本来は、ビジネスで求めるべきアイデアを出していくのですが、最初からみんなで深刻に、「●●を売る方法」なんて重いテーマをやっても、そうすぐに出るものではありません。まず練習として、難易度の低い、楽しいものから始めるといいでしょう。

 実際にやってみると、簡単なテーマでも意外に難しいのですが、ゲーム感覚ですから楽しくできます。それに、「きちんとしたアイデアでなくてはいけない」という思い込みから自由になれます。

 インプロシンキングのいいところは、普段アイデアを出さない人も、必ず出さなくてはならないことと、「こんなくだらないもので、いいんですか?」という気になることです。そう思った瞬間に、アイデアが出やすくなるのです。

7 たとえを使う

 ある企業の経営者は、「ウチはベンチャーで、今はセスナ機に乗っているような感じだ。今、いい感じで動いているから、そろそろジェット機に変えたい」と、現状を表現しました。すると、「セスナ機をジェット機にしようとすると、セスナ機に改善を加えてもダメだ。車体自体を変えないといけない」ということがわかります。

 こんな風に、状況を何かに例えてみてください。

 例えば、「ネットを使ったビジネスモデル」の状況を、Aさんは「賽銭箱」にたとえました。「入れる人はお金を入れて祈っていくけれど、みんなが入れるわけではない」と。すると、賽銭箱がどうなっていけばいいかを考えることができます。みんながお賽銭を入れるようになればいいのか、入れる額が増えるといいのか、あるいは賽銭箱の中が見えることで面白くなるのか。

 前述のセスナ機のたとえにしても、一回着陸してエンジンを止めなきゃとか、社長が操縦しようとしてはダメだ、など、発想を広げることができます。

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