連載
» 2006年11月22日 14時27分 UPDATE

自分らしいキャリアを築くために:判断&行動の基準「What」を明確にする (1/2)

ビジョン型、価値観型、どちらの傾向が強い人も、判断と行動の基準となる「What」=自分軸を確立することが大切。今回はWhat(自分軸)、How(方法)の関係性を明らかにします。

[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 前回で、人には価値観型とビジョン型の2つの傾向があることを紹介しました。次に進む前に、「価値観」と「ビジョン」「目標」を定義しておきます。

「価値観」とは? 「ビジョン」と「目標」の違いとは?

自分らしいキャリアを築くために
  連載タイトル
1 キャリアに「目標」は必須ではない
2 判断&行動の基準「What」を明確にする
3 みんな「どうしたら?」は得意だけど……
4 4つのレベルでWhatを引き出す
5 どうやって“What”を引き出せばいいか
6 個人のWhatと会社のWhatの共有ゾーンを広げよう
7 Whatを見つけて、今いる会社でオンリーワンの自分になる

 価値観というのは「自分らしさ」といってもいいのですが、「自分にとって、何が大事?」と考えたときに出てくるものです。

 例えば、野球が大好きなAさんとBさんの2人に、「どうして野球が好きなの?」と聞いたとします。Aさんは「自分がヒットを打ったら、みんなに褒められた。自分がやったことで認められるのがうれしいから好き」と答えました。一方、Bさんは「難しい球を打つのが好きだから」と答えました。「認められること」が大事な人もいれば、「難題にチャレンジすること」が好きな人もいます。これが、AさんとBさんの価値観です。

 例えば、Aさんの場合、大好きな野球の選手にはなれなくても、入った会社で自分がやったことをよく認められることで、うまくやっていけることでしょう。難題解決が好きなBさんの場合、もし入った会社がつまらないと感じていたとしたら、ちょっとチャレンジングな仕事(=難題)を与えられると、やる気が出てきます。このように、同じことが好きでも、価値観は人それぞれ異なります。

ビジョンと目標は違う

 ちなみに「ビジョン」と「目標」は違います。目標は、その通り実現させなくてはいけないものです。一方、ビジョンは具体的な場面としてありありと思い描けるのですが、その通りに実現しなくていいものなのです。

 例えば、ある会社の社長が、全国に何千店舗ものお店を作って、自分の会社を1兆円企業にする、というビジョンを描きました。社長には、この地域に何店舗、この駅前に何店舗お店を出して、1兆円企業になって、お客さんに役立ててもらう、というビジョンがありありと浮かぶのです。

 でも、その通りじゃなきゃ絶対ダメか、といったらそうではありません。実は同業他社が増えているので、同じお店を増やすのはけっこう難しいとします。なので、この社長は別のさまざまな分野に手を広げました。結果的に、自分の提供するものがイメージどおりにお客さんの役に立って、最後に1兆円を達成したのと同じ達成感をもてれば「ビジョン」としては、かなったことと一緒なのです。

 ただし「目標」はその通り達成できなきゃダメです。“このお店で1兆円”を「目標」にすると、他業種のお店ではダメで、必ずこのお店で1兆円! 別のジャンルは別枠でやらなきゃ、みたいな感じになります。

 ビジョンは象徴なのです。そして、目標はその下位概念になるわけです。だから、逆にいうと、目標はどんどん変えられます。目標はあくまで「How」、つまり「方法」です。でも象徴するものは変わりません。

 例えば、お店を増やせないのだったら、そのお店で銀行業務ができるようにしよう、モノじゃなくサービスを提供しよう、教育関係に参入しよう、医療関係に広げてみよう……と目標はいくらでも変えられます。だから目標を先に決めないでほしいのです。ビジョンと価値観が先にあるようにしてほしいのです。


「目的地」と「理由」をデザインする

 では、 ここで次の質問に答えてください。

何の制約もなかったら、明日から1週間、どこに行きたいですか?

平本 何の制約もなかったら、明日から1週間、どこに行きたいですか?

房野 海に行きたいです

平本 どこの海ですか?

房野 南の島の海です。

平本 どうしてですか?

房野 お休みがほしいからです。

平本 なぜ南の島と海ですか? パリとかロンドン、ニューヨーク、南極、アフリカ、じゃダメですか?

房野 暖かい方が好きなので、そこでリゾートしたいのです。何もしないでダラ〜として、海でちゃぷちゃぷ……というのがしたいんです。

平本 斎藤さんはどうですか?

Biz.ID 斎藤 山奥の旅館で本を読んでいたいです。

平本 どうして?

Biz.ID 斎藤 邪魔されない時間がほしいからです


 こんな風に“海に行きたい”“山奥の旅館に行きたい”など、“○○に行きたい”というのは「目的地」ですよね。“どうして?”というのは「理由」ですよね。旅行に行くときは必ず、“どこに行きたいか”という目的地と、“なぜ行きたいか”という理由があります。「いや、とりあえず俺は南にクルマを走らせるんだよ」っていう人でも、少なくとも “南”という方向性がありますし、“クルマで”ともいっています。飛行機に乗るのは嫌なのですね。クルマで行きたい「理由」があるはずですね。

 このように旅行だったら、どこに行きたいか(目的地)、なぜ行きたいのか(理由)が明確にあります。その際、人によって、「目的地」が大事な人と「理由」が大事な人に分かれます。

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