“消せるペン”フリクションが復活するのはどんな時?

パイロットによる消せるペン「フリクション」シリーズ。ペンの反対側でこすることで摩擦熱によって消える特殊なインクを使っている。温度によって消えたり戻ったりするということは、こんな“特殊”シチュエーション下ではどうだろうか――。

» 2007年04月13日 23時25分 公開
[吉田有子,ITmedia]

 ボールペンや蛍光ペンといえば、いったん書いたものは消せないのが普通だ。しかし、パイロットコーポレーションから「FRIXION(フリクション)」シリーズとして“消せる”ペンが発売されているのをご存じだろうか。

 2006年11月には蛍光ペン「フリクションライン」が発売された(2006年11月の記事参照)。さらに、2007年3月にはゲルインクのボールペン「フリクションボール」(2007年3月の記事)も発売。

 特にフリクションボールについては「ビジネスマンから学生まで幅広い層を狙って企画し、現在のところ注文に生産が追いつかないヒット商品」(パイロット)だという。フリクションラインの年間予想販売本数は150万本、フリクションボールは同2500万本を狙っているのだ。

フリクションライン
フリクションボール

 従来の“消せるペン”では、ペンの反対側に消去用の白いペンが付いていて、なぞると消えるという仕組みのものが多かった。この場合、いったん消去用のペンで消したら、その上に同じペンで再度書きこむことはできない。

ペンの反対側に消去用のペンが付いているタイプ

 フリクションシリーズでは“消しペン”タイプとは異なる仕組みを持っている。熱によって無色になるインクを使うことで、ペンの端に付いた摩擦用ラバーで書いた紙をこすると、摩擦熱によって書いた文字が消えるのだ。消した箇所に重ねて書きこむこともできる。

正しい綴りは「FRIXION」なのだが、間違って「FLIXION」と書いてしまった。消して修正する

 温度によって表示・非表示が変わるインクを使っている“副作用”もある。60度程度の環境では書き込みが消えてしまったり、いったん消した筆記内容がマイナス10度程度の環境では“復活”してしまうのだ。

 日常生活を送っていて、気温が60度以上とかマイナス10度程度になるシチュエーションは少ない。だから「関係ない」と思うのはまだ早い。こんな状況ではどうだろうか。

  • メモを書いた紙を温めたお弁当の上に置いてみた
  • メモを書いた紙をアイスクリームの上に置いてみた

メモを書いた紙を温めたお弁当の上に置いてみた

 フリクションボールで書いた買い物メモを持って出かけた。コンビニの電子レンジで温めたお弁当の上に置いたメモは――みるみるうちに消えてしまった。

 でも心配ご無用。温めて消えてしまうなら、冷やしてみよう。

メモを書いた紙をアイスクリームの上に置いてみた

 今度は逆に、一旦メッセージを書いて消したメモを、さっきまで冷凍庫に入っていた冷たいアイスクリームの上に置いてみた。すると、書いてあった内容が“復活”するのだ。また、もっと簡単にメモを復活させるには、単に冷凍庫に入れておけばよい。

 フリクションボールの温度による変化を利用すれば、いろいろな使い道が考えられる。友人に贈るカードにフリクションボールでメッセージを書き込み、あらかじめ温めて消しておき「冷やせば読めるよ」というメッセージだけを添えておく。あるいは、忘れては困るパスワードを紙にメモして、普段は消しておくので盗まれても安心。でも、忘れたときには冷やして復活――などなど。

 パイロットによると、このように“復活”させるのを前提に消すときは、紙が傷んだりインクが乱れるのを防ぐため、ペンの反対側でゴシゴシこするより、温めるほうがお勧めとのことだ。楽しい使い方を思いついたら、ぜひメールフォームから知らせてほしい。

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