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» 2007年04月27日 14時00分 UPDATE

シゴトハック研究所:「長期休暇の達人」たちが心がけていること【解決編】

ゴールデンウィークを休める皆さんは、もう予定を立てたでしょうか。長期休暇を有意義に過ごすコツを、達人たちの例を見つつ、考えてみましょう。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

 後悔しない長期休暇を過ごすには?

 コツ:目に見える成果が残ること1つだけに絞る


 職種にもよりますが、原則として土日と祝日しか休めないビジネスパーソンにとって、GW、夏期休暇、年末年始休暇という「三大長期休暇」は日頃の疲れを癒したり、非日常を楽しんだり、まとまった時間をうまく活用したり、といった貴重なオフタイムになります。

 そんな長期休暇ですが、有意義に過ごすのが上手な人と、そうでない人とがいるようです。そこで、筆者の身の回りにいる「長期休暇の達人」たちにそのコツを聞いてみました。

「長期休暇の達人」たちが心がけていること

 9日間をかけてパリとロンドンを旅したAさん(30代・男性)は、パリでは美術館巡り、ロンドンでは3日連続でミュージカルを堪能したそうです。

 Aさんが長期休暇を有意義に過ごす上で気をつけていることは、テーマを決めること。今回であれば、「ロンドンでミュージカルを鑑賞する」というテーマを決めたら、それ以外のことはいったん忘れるようにするのです。そうすれば、少なくとも決めたテーマについては集中して楽しむことができます。

 夫婦で山歩きを楽しむBさん(30代・女性)は、あらかじめ目的地に到達するまでの目標タイムを決めておくことを勧めています。目標タイムがあることで、目的地に着いたときに達成感や充実感が得られるからです。とはいえ、そもそも休暇は自分で自由に使える時間なので、気分が乗らない時は無理にこうした「チャレンジ」をせずに、のんびり過ごすこともあるそうです。

 Aさんと同様に、テーマを決めて国内・海外を問わず旅行を楽しんでいるCさん(30代・男性)。「短い日数なら行き当たりばったりでも何とかなるが、期間が長くなるとダラダラしがちになる」とした上で、移動の予定をきちんと立てておくことが重要だと言います。

 さらに、「休暇の過ごし方以前に、それまでに仕事を片づけることの方が難しい」とも。

 以上をまとめると次のようになります。

  • テーマを決める
  • 目標(時間や場所)を決める
  • ただし、決めたことにこだわり過ぎない
  • 移動時間を見込んだスケジュールを立てる
  • 休暇に入る前までにきちんと仕事を片づける

 この中でも「決めたことにこだわり過ぎない」「休暇に入る前までにきちんと仕事を片づける」は、特に重要でしょう。

 例えば、仕事でもないのに緻密な計画を立てると、それだけで満足してしまって実行がおぼつかなくなったり、計画があまりにも完璧過ぎれば、現実逃避的に計画にないことをやりたくなったりすることがあるからです。

 そして、いくら休暇のプランを立てても、仕事が終わらなければ「休日返上」ということになりかねません。そういう意味では、長期休暇はそれが始まる前からすでに始まっている、と言えるでしょう。

目に見える成果が残ること1つだけに絞る

 次に、「テーマ」を決めることについて考えてみます。普段から「今度の休暇は○○がしたい」「○○に行きたい」といった無数のやりたいことを抱えながら仕事をしていても、いざ休暇となると、その時間の短さが先に立ってしまい、何から手をつければいいかを迷っているうちに日が経ってしまう、というジレンマに悩まされることがあります。

 この対策としては、仕事と同じく普段からやりたいことをすべて1カ所にリストアップしておくことでしょう。休暇が近づいてきたら、そのリストをざっと眺めて、今回の休暇でやろうと決めたことをピックアップして現実的な予定に落とし込むようにするわけです。

 その際、できるだけ成果が目に見えることを選ぶのがポイントです。例えば、地味ですが「部屋の掃除」は、それをすれば部屋が見違えるようになるという意味では成果が目に見えます。

 旅行に行けば、「思い出」という記憶が残ります。記憶は目には見えませんが、日常から離れるという体験は視野を広げたり、普段では思いつかないようなアイデアを思いついたりなど、その後の毎日に変化をもたらすことが少なくありません。そういう意味では、この変化もまた1つの目に見える成果だといえるでしょう。

時間の感覚は「出来事の多さ」で決まる

 「長期休暇」と聞くと、つい「時間がたっぷりある」というイメージを持つものです。もちろん、実際に時間はたっぷりあるのですが、そこには過剰な期待がかけられることが少なくありません。

 普段会社で仕事をしていると、自分の仕事以外にも、時間に追われながら通勤や会議や食事など、実にたくさんのことをこなしています。それゆえ、1日という時間を長く見積もりがちなのです。

 この感覚のまま休暇を迎えると、例えば「9連休もある」となれば、ほとんど無限に時間があるかように感じられるでしょう。これは、普段の仕事モードでいる時に、9日もの時間があれば非常に多くの仕事ができるという実体験があるからです。

 でも、いざ休暇に入ってみると、普段感じているような「時間に追われる」というプレッシャーが減るため、その分だけ行動のスピードがダウンし、集中力も減衰します。

 また、目についたものや、ふと思いついたことに注意を奪われがちになります。普段であればサーッと目を通すだけの新聞を、休暇中は時間をかけて隅々まで目を通したり、じっくりと腰を据えてPCの設定を見直したり、といった不必要とはいえなくても、特にやるつもりではなかったことによって、知らぬ間に時間が消費されていくのです。大したことをやっていないのに「気づいたら1日が過ぎていた」と感じるのはこのせいかもしれません。

 それゆえ、長期休暇に際しては、冒頭でご紹介した達人たちのように、慎重に「テーマ」を決めて、それ以外のことにはなるべく目を向けないようにすることが、休暇という限られた時間を有意義に過ごす上では鉄則になるわけです。

 とはいえ、せっかくの休みくらい思う存分だらだらしたい、という気持ちもなくはない筆者としては、自分にとってしっくり来るような過ごし方ができればそれでよいのではないか、とも思っています。

 良い休暇をお過ごしください。

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『「手帳ブログ」のススメ』がある。


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