WもTも“タフさ”向上──最新Let'snote、海外進出も

松下電器産業は9月27日、新型Let'snoteを発表した。RやYシリーズの“タフさ”をWやTシリーズでも実現した。海外進出も狙う。

» 2007年09月27日 22時03分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 過酷な状況でも利用できるといえば、松下が販売するノートPC「TOUGHBOOK」だ(2006年12月の記事参照)。高さ90センチから落としたり、毎分10ミリの雨が降っても動作するTOUGHBOOKは屋外での用途を想定している一方、屋内用途のLet'snoteは性能こそ異なるが、「Let'snoteもTOUGHBOOKと要素技術は同じ」(高木事業部長)だという。ビジネスパーソンが要求する過酷な状況にLet'noteも応えられるというわけだ。

 「これからのPCは、過酷な状況での利用が進む」──そう断言したのは、松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社の高木俊幸事業部長(ITプロダクト事業部)。9月27日に発表された新型Let'snoteが想定する“過酷な状況”とは──。

 過酷な状況でも利用できるといえば、松下が販売するノートPC「TOUGHBOOK」だ(2006年12月の記事参照)。高さ90センチから落としたり、毎分10ミリの雨が降っても動作するTOUGHBOOKは屋外での用途を想定している一方、屋内用途のLet'snoteは性能こそ異なるが、「Let'snoteもTOUGHBOOKと要素技術は同じ」(高木事業部長)だという。ビジネスパーソンが要求する過酷な状況にLet'noteも応えられるというわけだ。

すべてのモデルで“タフさ”を向上

 発表となった新型「Let'snote LIGHT」は、10.4インチ液晶ディスプレイを搭載し、重さ1キログラムを切る軽量モデルの「CF-R7」、12.1インチ液晶ディディスプレイで、光学ドライブを内蔵する「CF-W7」、12.1インチ液晶ディディスプレイで、10時間を超える標準バッテリー駆動時間の「CF-T7」、14.1インチ液晶ディスプレイを搭載し、光学ドライブを内蔵する「CF-Y7」の4モデル。

左上から「CF-W7」「CF-T7」「CF-R7」「CF-Y7」

 出荷開始はCF-W7以外の3モデルが10月19日。CF-W7は11月16日の出荷を予定している。オープンプライスだが実売価格はCF-R7が20万5000円前後、CF-W7が25万円前後、CF-T7が22万円前後、CF-Y7が27万円前後。マイクロソフトの「Office」同梱モデルも用意。CF-R7が24万円前後、CF-W7が28万5000円前後、CF-T7が25万5000円前後、CF-Y7が30万5000円前後となっている。

 なお、標準搭載のOSはWindows Vista Business。Windows XP Professional SP2にダウングレード可能な権利を含んでおり、ダウングレードした場合でも将来的にVistaに戻すことも可能だという。CPUは、CF-R7/CF-W7/CF-T7が超低電圧版のCore 2 Duo U7500(1.06GHz)で、CF-Y7が低電圧版のCore 2 Duo U7500(1.06GHz)。また、全モデルでオンボードのメインメモリが1Gバイト(最大2Gバイト)となった。さらに、SDHC対応のSDカードスロットを搭載。これまでのカードスロットもSDHC対応だったが、Windows Vista環境が必要だった。新機種ではWindows XP環境でもSDHC対応カードが利用できるようになっている。

 新型Let'snoteの大きな特徴は、全モデルで“タフさ”を向上させたこと。これまではRシリーズでしか実現していなかった高さ76センチからの落下試験や、RとYシリーズで行っていた100重量キログラム加圧振動試験も全モデルがパスしたほか、キーボードの全面防滴も施している。会場では新型Let'noteを踏みつけたり、落としたり、水をかける“過酷な”デモンストレーションも行った。

Rシリーズにファン搭載

 なお、今回の新モデルのうち、筐体をリニューアルするなど大幅な変更が施されたのはCF-W7とCF-T7。前述した堅牢性の向上ほか、USBスロットが3つに増えた。両モデルでは、SO-DIMMに準拠したメモリを拡張メモリに利用できるようにもなっている。

 一方で残念な変化は、これまでファンレス構造を貫いてきたRシリーズにファンが搭載されたこと。松下電器産業によれば「Windows Vistaを搭載するとCPUの稼働率が高まるから」だという。ただし、Windows XPにダウングレードしたとしてもファンを止めることはできない。「必ずしもファンだけの問題ではない」が、標準バッテリで約8時間駆動していた前モデルの「CF-R6」(1月17日の記事参照)に比べると、今回は約7.5時間の駆動にとどまることになった。

 なお同社の直販サイト「マイレッツ倶楽部」では、CF-R7のプレミアムエディションを発売する。カラーはつや消しの「ジェットブラック」。HDDを標準の80Gバイトから250Gバイトに増加したほか、超低電圧版のCore 2 Duo U7600(1.20GHz)を搭載する。

CF-R7のプレミアムエディション
Rシリーズ用革製カバーも、底面にファン用のメッシュが付いた

Let'snoteユーザーを世界中でサポートする

 新型Let'snoteは、これまで主戦場だった日本国内だけでなく、米国や欧州でも販売していく。市場調査によれば、欧州のモバイルPCの需要は2006年から2010年までに3.5倍になるという。成熟しつつある国内市場だけでなく、モバイルPCの需要が高まりつつある欧州などでの商機をつかむのが狙いだ。

 海外展開のブランドは「TOUGHBOOK EXECUTIVE」。松下電器産業によれば「海外ではTOUGHBOOKのほうが、Let'snoteに比べて知名度は高い」という。このほか、販社やサポート網を整備する予定で、国内のLet'snoteユーザーも海外でサポートを受けられるようになる見込みだ。

Let'snoteの海外ブランド「TOUGHBOOK EXECUTIVE」。一部機種にはタッチパネル搭載機種も用意

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