机の裏側を開拓する文具王の「B-Hacks!」

TVチャンピオン「全国文房具通選手権」を3連覇中の文具王・高畑正幸さん。そんな文具王をBiz.IDにお迎えして、連載「B-Hacks!」が始まりました。文具のB、ビジネスのB、そしてB級のB――。どんなLifeHackが紹介されるのでしょうか。

» 2007年10月11日 09時00分 公開
[高畑正幸,ITmedia]
「ポスト・イット ポップアップノート ディスペンサー(KR-33)」の本体

 月の裏側では、宇宙人が地球侵略の前線基地を密かに建設している――。そんなSFがあったような、なかったような。しかし筆者の机の裏側は、表からは見えないところで密かに改造され、机上侵略のために日々整備が進んでいる。その“主力装備”の1つがこの付せんだ。

 これは、付せんと専用のディスペンサーのセット。このディスペンサーは、裏面に両面テープが付いていて、自分の手の届く距離にある壁面に固定して使用する。付せんは互い違いに貼り合わせてあり、ティッシュペーパーのように1枚引くと次の1枚が出てくるようになっている。サイズは77×77ミリ(縦×横)とメモやアイデアなどちょっとした内容を書くのに丁度いい。

もちろん付せんとセットで使う
取り出しやすくなるのが特徴だ

 筆者は、このディスペンサーを机の天板の裏に貼り付けている。位置的にはデスク上に置いたマウスの真裏あたりで、逆さまに貼り付ける格好だ。このディスペンサーは、上下の向きに関係なく機能するので、右手を机の天板の下に入れると簡単に1枚ずつ取り出せる。こんなものの場所は自分にだけ分かっていればいい。いちいち机の裏を見なくてもすぐに取り出せる。

 ちなみに筆者が右に貼り付けているのは電話を左手で取るクセがあるため。今では電話がかかると「もしもし」と言うのとほぼ同時に右手は無意識に紙を1枚取り出してデスクに貼り付け、ペンを取るのである。

 「付せんぐらいどこに置いても同じだ」と思うかも知れないが、机の上がどんなに散らかっていようが、メモ用紙は瞬時に取り出せることが重要だ。人間の短期記憶は全くアテにならない。アイデアや伝言は逃げる前に書き留めなくてはならないのだ。机の裏なら“重力バリア”のおかげで勝手に物が積み上がることもない。付せんのスタンバイは常に「OK」なのだ。それに、ちょっとセコいが同僚に勝手に持っていかれないというメリットもある。

 鼻炎の筆者はティッシュペーパーも同様に箱ごと机の裏に貼り付けている。ボックスに切り込みを入れてクリップ付の強力マグネットを差し込めば、充分使用に耐えるのだ。ティッシュペーパーのボックスは、机上に置くと縦型ファイルボックス1個分の面積を専有する“邪魔者”だ。ティッシュペーパーごときで机の有効面積を減らすのは馬鹿げていると思わないだろうか?

 机の上が少しでも広く使えるだけでなく、机上よりも同じ状態に保つことが容易なため、机上よりもむしろ取り出しの動作がスムーズで、無意識に行えるようになる。ここまで来ると充分Hackと言えよう。

ティッシュペーパーのボックスに切り込みを入れて(左)クリップ付の強力マグネット(右)を……

クリップ付の強力マグネットを差し込めば、充分使用に耐える

 なお、こうした机の裏の有効利用は、単機能なものに限った方が効果的。ただし、机の裏に貼ったことを自分が忘れてしまうことがないように注意すること。

今週の「B-Hack!文具」
商品名 価格 発売元 購入場所
ポスト・イット ポップアップノート ディスペンサー KR-33 798円 住友スリーエム 東急ハンズ

著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

st_bt08.jpg

 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ