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» 2007年12月13日 16時36分 UPDATE

10分でできる簡易セルフカウンセリング:“不安”と“恐怖”を明確にして、不安を解消する (1/2)

落ち込んだ時や不安を感じたときに行うセルフカウンセリング。何が不安の原因なのかを明確にするだけで解決する場合も多いものです。今回は、“不安”とはいったい何なのかを考えてみます。

[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 前回は「1人でできるセルフカウンセリング」ということで、まずネガティブな感情を特定し(ステップ1)、4W1Hで具体的な出来事を思い出し(ステップ2)、不安を明確にすることでスッキリする方法を紹介しました。

 今回はステップ3に入る前に、“不安”と“恐怖”の違いについて考えてみます。

対象がはっきりしていると“恐怖”、はっきりしないと“不安”

 例えば、こんな場合もあるでしょう。

 先週くらいから、気持ちが不安定で心配だ。具体的にいつぐらいからかな。先週の土曜日くらい。何をしていたか。女房と話しているときだ。

 もっと具体的に、4W1Hで思い出します。

 土曜日の午後に女房とスターバックスに行って、楽しく話をしていたんだけど、その後からだ。その後、家に帰って貯金通帳を見せられて、「給料がこの感じだと、ローンがキツイと思うんだけど」みたいに言われた。「あなた、7年後にこれだけ貯まるって言ってたのに、私が計算してみたら無理よ」と言われた。あのあたりから気持ちが滅入ってきている。


 そこで、「感情」「思考」「行動」「結末」です。

  • どう感じたか? 「うわッ、とがっかりした。申し訳ないと思った。自分の計算が違っていたのか、ちょっとヤバイなと思った」
  • 行動は? 「いいよ、そんなの別に気にしなくても、みたいに女房に言っちゃった」
  • 結末は? 「女房は余計カチンとしてプリプリしていた」

 あのあたりから不安なのだと、それに気がつくだけで落ち着く人と、やっぱりこれはちょっとマズイと思い、何ができるかを考えてアクションを起こす場合とがあります。この場合だと、実際に計算をしてみるべきですね。今の給料や経費から、7年間でいくらくらい必要かを計算して、おおよその予算を出してみて、だいたいどれくらい残るかをはっきりさせます。すると、たとえその金額が思ったほど多くなくても、人間は安心するものです。「あ、そうか。これだけしかないんだ」と思っても、はっきりすると落ち着きます。

 恐怖と不安の違いは、対象がはっきりしているか、していないかです。対象がはっきりしないときに不安になります。恐怖は対象がはっきりしているときの感情です。借金取りが来ると分かっていたら恐怖だし、あの社長が来ると分かっていたら恐怖です。

 不安は、分からないから不安になるのです。いくらかかるか、分からないと不安になるので、いくらでお金が尽きると分かったときは、不安は減ります。そして、それに対して、ちょっと交際費を削ろうとか、もう少し給料を上げるようにがんばろうなどと対策を取ればいいのです。

 漠然としているから不安なんですね。将来の経済的な不安を感じるとよくいいますけれど、実際に計算してみればいいのです。自分のだいたいの生涯の収入を計算します。あと30年間働き、余生が20年間。給料を単純に計算し、60歳まで働いたら退職金がいくらで、年金はひどく低く見積もってこれくらいで、と全部書き出してみてください。そうすると、不安は減るはずです。

 そして大抵の場合、金額は不安に思うほど低くないはずですよ。低かったとしたら、タバコを減らそうかなとか、こういう無駄遣いは止めようとか、無駄に飲むのは止めよう、などと対策を考えるでしょう。

誌上セミナー

平本 何か、不安に感じていること、気が滅入っていることがありますか?

A 僕は長期で休みを取っているときなど、何をする気にもなれずに、むなしく感じるときがあります。

平本 休んでいるとき?

A はい。この土日もありましたね。

平本 今、この会話はステップ1です。ネガティブな感情を特定しましたね。では、ステップ2。それを感じ始めた具体的な場面や出来事を特定していきます。いつくらいですか?

A 先週の日曜日です。

平本 朝、起きたときから、そんな気分でしたか?

A 夕方くらいです。

平本 朝、起きたときは普通の気分でしたね。その後、何をしましたか? ご飯を食べたとか、掃除をしたとか……

A ご飯は食べたのかな。で、本を読んだり、テレビを見たり、細々と何かをやろうとするんですが、全然集中できなくて、すぐ止めてしまうんですよね。

平本 そのあたりから、むなしさは感じていましたか? それとも、まだないですか?

A そのあたりが、まさにむなしい気持ちです。

平本 じゃあ、朝からですね。


 ここではまず、気になる感情を1つ特定して、その特定した感情を感じ始めた場面をありありと思い出しています。大事なのは、何月何日の何時くらいから、と具体的に特定することです。

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