「あのときに戻れるとしたら」どうする?10分でできる簡易セルフカウンセリング(1/2 ページ)

ネガティブな感情を特定するステップ1、4W1Hで具体的な出来事を思い出すステップ2と解説してきました。今回はステップ3と4。具体的なアクションに落として不安を払拭します。

» 2007年12月14日 20時12分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 今回は、ついにステップ3とステップ4です。ステップ1で、まずネガティブな感情を特定し、ステップ2として4W1Hで具体的な出来事を思い出し、不安を明確にすることでスッキリする方法を紹介しました。

ステップ3:あのときに戻れるとしたら、どんな行動をとるか

 ステップ2で感情、思考、行動、結末を明確化すると、なんらかの気づきが現れます。Aさんの場合は「集中できることがあればいい」ということでした。

 ステップ3では、もし、あのときにもう一度戻ったとして、どんな風に過ごしたらネガティブ感情を持たずに過ごせるかを考えます。さらにそのことを踏まえ、ステップ4では、今後、似たような場面があったとしたら、どう過ごすかを考えます。

平本 集中できることがあればいいと言ってましたが、そのときに戻ってやり直せるとして、どんな風に過ごしたとしたら、もうちょっとむなしさを感じず過ごせると思いますか? 

A 誰かに連絡して、人と一緒に何かをすればよかったんだろうと思います。

平本 それは地元の?

A 地元でも、いつもの友達でも。一人でいると集中できないときがあるような感じがしますね。

平本 なるほど。では、ここでの気づきは、「1人でいると集中できないときがあるから、もし戻れるとしたら、誰かに連絡する」ということですね。連絡したとしたら、どうなりますか?

A どこかに出かけると思います。

平本 出かけたとしたら、どうなるでしょう。

A 買い物でもいいし、普通にご飯を食べるでもいいし、映画を見るでもいいんですが、しっかりそれに集中して行動できたんじゃないかと思います。

平本 では、ステップ4、まとめです。今までは1人でつまんない、つまんないと思いながら、ちょっとずついろいろなことをやっては止めていましたが、今後、似たような場面があったとしたら、どう対処しますか?

A とりあえず、誰かに連絡します。もしくは、そうなりそうなことを想定して、何も予定が入っていない日は、何かしらすることにしておく。約束をしておきます。

平本 事前に、この日はボーっとしそうだから、約束をしておくと。

A ガッと空いちゃうとダメみたいですね。忙しい最中に本を読むというのはアリなんですが、丸一日時間があるから本を読もう、だと大抵ダメなんですよね。

平本 では、今後はガッと空くようだったら、事前に予定を軽く入れておくと。でも、もし予定を入れてなかったとしたら、どの時点で連絡しますか? 朝、すぐ電話をかけるか、色々やってみて、そろそろヤバイと思ってかけるか。どうでしょう。

A いろいろやらないうちに、ですね。早目にです。

平本 何か気づく合図はあるでしょうか? 朝起きて、そういえば何も予定がないなと思ってすぐかけるか、それとも雑誌を読むとか1つでもやってみて、これヤバそうだと思ったらかけるのか。

A 何か1個やってみて、それがすぐ飽きちゃうようだったら危険ですね。たぶん、何をやってもそうなっちゃう感じです。「なんてくだらないことをオレはやっているんだろう」と思い始めちゃうと続きますね。

平本 じゃあ、今後はこうしましょう。ガッと空いているときは、事前に予定を入れる。そうできないときももちろんありますから、朝、起きて何か1つやってみて、これは面白くないなと思ったら、それを合図に直ちに誰かに連絡して、買い物でもなんでもする。

A そうですね。


 以上が簡易カウンセリングです。自分1人でもできますね。

 繰り返しになりますが、特に大事なのはステップ2で、その感情が出始めた、その瞬間をつかむことです。

 出来事を特定して、感情、思考、行動、結末を延々と聞いていくと、たいていの場合は、「ああ、あれが原因だ」と気づきます。

 そして、ステップ3で、もし戻れたとしたら、どうするか? を考えます。「戻れたとしたら、友達に連絡する」「戻れたとしたら、女房にあんな風に言ってしまう前に、ちゃんと自分で計算しておく」「戻れたとしたら、友達に、お前はたぶん悪気はないと思うけれど、やっぱりお前に無理だと言われるとショックだと冷静に言う」などです。

 最後にステップ4で、今後、そういう場面があったら、どうするかを考えます。今後、面白くないなと感じたら、すぐに人に連絡するとか、今後、そういうことを言われたら、もうちょっと反論するとか、相手にちょっと言っておきたいと思ったら、電話をして冷静に伝える、とかですね。

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