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» 2008年01月25日 21時53分 UPDATE

シゴトハック研究所:分かっちゃいるのに取りかかれない対策(1)【解決編】

午前中に終わらせるはずの仕事……。気がつくとお昼を回っていることはありませんか? それをクリアするための方法を2つご紹介しましょう。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

 「ついでに」や「ついつい」による時間浪費を防ぐには?

 コツ:完了予定時刻を関係者に表明しておく


 問題編のタカフミ君のように、やらなければならないことが目の前にあるのに、それとは無関係の作業の誘惑に「ついつい」負けてしまうことがあります。この現象は車の運転になぞらえると理解しやすくなります。

 マニュアル車ではクラッチがつながっていないとアクセルを踏んでも前に進みません。これは人も同様で、“クラッチ”が切れた状態では、どんなに気合を入れたとしても“エンジン”が空回りしてしまうのです。つまり、“エンジン”が遊んでいる状態です。

 では、どうすれば“クラッチ”がつながった状態になるか、ということになりますが、どうもクルマと違って、人は自分の意志でクラッチを切ったりつないだりということができないようです。

 「今日は何だか仕事がはかどった」

 などのように、人の“クラッチ”は自分の意志とは無関係のところで入ったり切れたりするのです。でも、どちらかというと切る方が得意なようです。

 「とりあえずメールチェックをしてから」

 「まずはコーヒーを入れてから」

 といった言い訳を盾に仕事モードに入ろうとする自分にブレーキをかけることはあり得るからです。このように人がアクセルを踏み込むことに慎重になるのは、一度走り始めてしまったら、しばらくは走り続けないといけない(ような気がする)からという理由が考えられます。

 そこで、次の2つの対策で乗り越えるようにします。

個々の作業を所定時間以内に終える

 「一度走り始めてしまったら、しばらくは走り続けないといけない(ような気がする)」のであれば、例えば、

  • 15分だけ走ったら休憩してもいい

 というルールをあらかじめ決めておきます。こうすることで、

 「15分ならまぁいいか」

 と少し気が楽になるはずです。その際は、タイマーを使って正確に時間をカウントダウンすることをお勧めします。こうした明確な区切りがないと、「もうちょっと休んでからでも問題ないだろう」など“スヌーズ”をしたくなってしまうからです。

 また、休憩するまでの時間は仕事の内容に合わせて変えるといいでしょう。

 ゴールははるか先に位置する夕方の定時にあるのではなく、手を伸ばせばすぐにでも届きそうな数十分先にあるとわかれば、取りかかる負荷は下がるはずです。

 仕事は一度取りかかることさえできてしまえば、あとは勢いがついて前に進めるものです。自転車と同じく仕事も最初のこぎ始めのペダルが重いのです。

 取りかかることができたら、次は所定時間内に決められた通りの“チェックポイント”に到達することを目指します。例えば、

  • 打ち合わせメモを15分で作る

 とするのです。単に「打ち合わせメモを作る」ということだけでは、

  • 「打ち合わせの場で想定されるあらゆる質問に備えなくては」

 などと必要以上に構えてしまい、

  • 「もうちょっと機が熟してからにしよう」

 などと、言っている本人もいつになるのか見当がつかない見通しとともに別の仕事に逃避してしまいかねません。いうまでもなく、この先にあるのは、

 「すいません、バタバタしていて準備がアレなのですが……」

 という望ましくない弁明でしょう。

 また、「ルーチンワークを加速させるには?」という記事でご紹介したように、タイマーを使うことで、自分の仕事のスピードを知ることができますから、より正確なスケジュールを作る上でも役に立ちます(2007年12月14日の記事参照)。

完了予定時刻を関係者に表明しておく

 2つめの対策は、自分だけでなく関係者の協力を仰ぐ方法です。協力といっても、具体的に何かをしてもらう必要はありません。ただ、聞いてもらえばいいのです。

 何を聞いてもらうかというと、自分が担当している仕事が完了するタイミング、あるいは区切りがつくタイミングです。

 「15:00に一度お見せしますので、その段階での途中経過を見てもらえますか?」

 「11:30までに分かるところまで仕上げる予定です」

 聞いてもらう相手としては上司がベストですが、隣の席に座っている同僚でもかまいません。その場合は、次のような約束を取りつけておくようにします。

 「12:00までに完了させるつもりだから、一緒にランチに行こう」

 このような約束は履行できなくても実質的なダメージはありませんが、約束したのにそれが果たされないということが続くと、メンツにもかかわりますから、そこに「何が何でも終わらせる」という理由が生まれるわけです。

 実は筆者自身もこの「時間指定メソッド」とでもいうべきシゴトハックを多用しています。たとえ1週間先であろうと、1カ月先であろうと、

 「1月25日の15時までに送ります」

 などのように時刻まで指定した上で約束をするのです。こうすることで、自動的に“クラッチ”が入ります

 「15時までに送らなければならないということは……」

 という最終ゴールから逆算してスケジュールを立て始めるようになります。

 逆に、相手から

 「週明けまでにお送りします」

 「今月中に送ります」

 などといわれたら

 「週明けの何時ですか?」

 「今月中って、何日の何時ですか?」

 と問いただすようにしています。このような“つっこみ”は相手からすれば感じの悪いものになるかもしれませんが、打ち合わせのアポイントであれば時間まできっちりと指定するわけですから、それと同じだと考えれば、不自然なことはないはずです。

 また、もし約束通りの時間が守れなかったとしても、それは自分が提案した時刻であって相手が求めたものではありませんから、“修正申告”の余地はあります。少なくとも相手から言われた期日を守れないことに比べたらはるかにましでしょう。

筆者:大橋悦夫

1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。


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