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» 2008年01月28日 19時55分 UPDATE

リストのチカラ:第1回 毎日使えて一生役立つ、珠玉のリストとその作り方

【新連載】よいリストは役に立ちます。網羅性があって、メッセージに深みがあって、それでいてシンプルで、覚えやすい。そんな人生と仕事を豊かにする多くのリストと、そんなリストの作り方を紹介していきましょう。

[堀内浩二,ITmedia]

 書籍・雑誌や新聞で、内容を「○○のコツ」として囲みにまとめているのをよく見かけますよね。ブログでも「プレゼンの前に思い出したい10のこと」といったタイトルのエントリ(記事)は人気があります。さらに「マーケティングの4P」といったフレームワークも、研修で講師が教えてくれる「挨拶のあいうえお」も、お母さんから教わった「調味料のさしすせそ」も、この連載では「リスト」です。

 この連載では、仕事と人生を豊かにする「リスト」とそういったリストの作り方を紹介していきます。ここでいう「リスト」とは、「〜カ条」「〜つのコツ」「〜つの原則」「〜訓」「〜戒」といった「個条書きの形にまとめられた知恵やコツ」のことです。

よいリストは人類の財産である

 よいリストは役に立ちます。人は昔から知恵をリストにまとめ、語り継ぎ、活用してきました。それらは、「学術的に正しい」かどうかは分からなくても、時の試練を経た(長い期間多くの人によって使われてきた)「経験的に正しい」知恵です。

 よいリストは貴重品です。網羅性があって、メッセージに深みがあって、それでいてシンプルで、覚えやすい。そのように内容も形式も優れたリストは簡単には生まれません。

 まず、作るのが難しい。多くの人がうなずくような知恵を見つけて、まとめて、リストに凝縮するには、それなりの思考と表現のスキルが必要だからです。

 次に、価値が認められるのに時間が掛かる。多くの人がいろんな状況下でその知恵を使い、長い時間をかけて修正されたり拡張されたりしながら、よいリストとしての評価が定まっていくからです。

 1つ例を挙げましょう。

  • 聞いたことは、忘れる。
  • 見たことは、覚える。
  • やったことは、分かる。

 出典は中国の古典のようですが、日本語としてのリズムがいいですよね。これだけでもハッとする内容のこのリストに、後世の人がこんな一行を追加しました。

  • 見つけた(発見した)ことは、できる。

 より深い理解(できる)にいたる学習方法(発見する)が、リズムを崩さずに追加されています。項目が1つ増えたのに、覚えやすさが損なわれていないどころか、印象が強まって逆に覚えやすくなったくらいです。

 次回から、筆者のお気に入りのリストを1つずつ紹介していきます。パラパラと眺めてみてください。考える(やる)べきこととその順番がスッキリ分かり、すぐに仕事や生活の質を高められる、皆さんにとっての「よいリスト」が見つかると思います。

自作リストは人生の財産である

 よいリストを選んで使うだけでなく、自分でリストを作ってみることにも大きな価値があります。

 【学んだこと】はリスト化によって定着が図れます。リストにまとめるプロセス自体が深い理解を促しますし、できあがったリストは学んだことを思い出す頼もしいツールにもなるからです。

 【願いごと】をリストとして書き出すことは、目標達成への確実な一歩になります。リスト化によって目標が言葉として明確になるとともに、それを読み返すことで目標とそこに至る道のりを具体的にイメージすることができるようになるからです。

 【信じること】のリストは、自分の羅針盤になります。自分の信条や価値観は書いてみることで具体化し、書かれたリストは意志決定の判断基準として使えるからです。このリストは時間をかけて修正していくもので、長く、それこそ一生、使うことができます。

 【やること】のリストつまりToDoリストは、目標を自分の手元に引き寄せる強力なツールです。目標をブレークダウンし、今なすべきこと・できることに集中させてくれるからです。

 上記のようなリストは、人類の財産にはならないとしても、皆さんの「人生の財産」になることは間違いないでしょう。連載の後半では、リストの使い方と作り方を解説します。

「リスト化の力」は応用範囲が広い

 リストを作ることは、言葉をただ個条書きにすることではありません。頭のなかでモヤモヤしている何かを言葉として定義し、言い換え、凝縮させていく作業です。したがって、リスト作りの作業を通じて鍛えられるスキルがあります。本連載では、そのスキルを「リスト化の力」と呼びます。

リスト化の力

  1. 「フレームワーク思考」。リストのテーマに合った項目の候補を洗い出したりリスト項目を構成したりする、論理的な思考力です。
  2. 「要約力」。重要なメッセージを抽出して簡潔な表現にまとめる、論理的な思考と表現の力です。
  3. 「凝縮力」。要約された文章をより印象的な言葉に凝縮する、感性的な表現の力です。

 リスト作りを通じて上記のような力が鍛えられるとすれば、それは以下のような力をも高められることになります。

  • 問題を正しく把握し、分析する力
  • メールや報告書を端的にまとめる力
  • 経営フレームワークなどフレームワークを使いこなす力
  • ビジョンやアイデアを言葉として具体化する力

 この連載でご紹介するリストやリスト化のコツによって、リスト作りから得られるものがさらに深まり、作ったリストへの満足がさらに高まり、結果として皆さんの仕事と人生がさらに豊かになることが、筆者の願いです。

*ListFreakというサイトについて

 本文中、*ListFreak(リストフリーク)というサイトに触れている部分があります。*ListFreakは2005年11月に開設したリスト収集・共有・活用サイトです。

 *ListFreak - 世の中の知恵やコツを「リスト」で共有するサイト


筆者:堀内 浩二

株式会社アーキット代表、グロービス経営大学院客員准教授。「個が立つ社会」をキーワードに、個人の意志決定力を強化する研修・教育事業に注力している。起-動線など複数のサイトを運営。ネットメディアへの寄稿も多い。外資系コンサルティング企業時代にシリコンバレー勤務を経験。


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