第2段階──けんかをしかける目立ちたがり屋クンの扱い方(1/4 ページ)

子供が不適切な行動をとったときの心理的な対処法が、仕事の現場でも役立ちます。よくいる「目立ちたがり屋クン」の行動パターンを分析しましょう。

» 2008年05月09日 12時30分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 子供のように、“目立ちたがり”な大人がいますよね。そんな人たちにはどう対処したらいいのでしょうか。子供の不適切な行動にのっとって、考えていきましょう。

不適切な行動とその対応策
不適切な行動の目的 相手役の感情 集団内の役割 対応策
0段階 称賛を求める 褒めたくなる 優等生/ごますり 勝ち負けではなく貢献を認める
第1段階 注目を集める うるさく感じる いたずら者 適切な行動に注目する
第2段階 権力闘争をしかける 腹が立つ 暴れん坊/ヒーロー けんかから手を引く
第3段階 復讐(ふくしゅう)する 傷つく ひねくれ者/悪者 適切・不適切ともに静観する
第4段階 無気力を誇示する 絶望する 落ちこぼれ 見守って時期を待つ

 前回は、第1段階の「不適切な行動で注目を集める」人がどんな行動を取るのか見てきました。今回は第2段階から第4段階までを見ていきましょう。

第2段階──けんかをしかける

 ところが、注目を集めるために不適切な行動をやっているのに、注目を引けない。先生が「いつまでやっているんだ! お前は廊下に立っていろ」みたいになってくると、その子供は次の第2段階に入ります。

 第2段階では勝ち負けにこだわります。「先生が勝ちなのか、僕が勝ちなのか、勝負しよう。お前なんかに絶対負けない」という段階です。第1段階のように、ペンで音を立てて目を向けてもらうわけではなく、「この授業中、なんとしても1分間は俺の時間にしてやる!」というような感じです。

 相手役の先生は、先ほどの「面倒だな」という気持ちから、腹が立つようになります。相手役の人がカチンときて腹が立ったとしたら、第2段階に入っているということです。この段階の子供は、学校のクラスの中では、暴れん坊だったり、場合によっては英雄だったりもします。みんながおとなしくしている中、「あいつだけは先生に立ち向かえる」ということで、ヒーローだと思われているかもしれません。

 職場の中では、例えば「あの先輩には絶対負けない」という状態です。これは仕事のパフォーマンスを上げるためかどうかではなく、あの先輩に勝つかどうかだけで仕事をしてしまいます。もちろん、健全なライバル心があって、お互いが成長しあって業績が上がるならいいのですが、この場合は業績を出すかどうかよりも、「私はあの先輩をやっつける!」という仕事の仕方になります。そうなると、共有した方がいい情報を共有しなかったり、わざとウソの情報を流したりします。

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