第2段階──けんかをしかける目立ちたがり屋クンの扱い方(4/4 ページ)

» 2008年05月09日 12時30分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]
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第4段階──無気力になる

 傷つけようとしても傷つかないし、周りから「アイツは放っておけ」というような状態になってくると、最後の第4段階に入り、無力感を示すようになります。「もう私に期待しないで、放っておいてください」という状態です。こうなると、“落ちこぼれ”“脱落者”という印象になります。周りの人や相手役は「もうしょうがない。アイツは放っておくしかない」とあきらめてしまいます。

 引きこもって学校に来ない子というのは、この第4段階に当たります。第3段階だと、まだ何かしらアクションをしてきます。そのアクションが、こちらが差し出す手に対して、ことごとく裏切るようなアクションなわけです。なぜなら、相手を傷つけようと思っていますから。こちらが善意でしたことを、最も嫌な受け取り方をする方法で返してきます。しかし、第4段階になると「もう放っておいて」という感じになり、先生が来ても反応しないし、親が呼びかけても閉じこもったきりになります。

 さすがに、学校や家庭では、無力感を示しているからあきらめよう、あの子とは親子の縁を切ろうというわけにはいきません。しかし会社の場合は、円満には無理かもしれないけど、お互い最小限の損害で会社を辞めてもらうしかないでしょう。なんとかしようという会社は確かにありますし、本人がなんとかしたいという思いがあるならともかく、かなり大変です。

 第4段階になると、すべてのアプローチが無効ですから、こちらの対処法としては、ある程度、距離を置いて見守りつつも、置いておくしかないです。アプローチし続けると第4段階の期間を延長させてしまいます。行動せず、意識を向けず、置いておく、といった感じです。

 次回からは、それぞれの段階の人への対処法を解説します。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本相武(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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