第2段階──けんかをしかける目立ちたがり屋クンの扱い方(2/4 ページ)

» 2008年05月09日 12時30分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

第3段階──傷つける

 第2段階で、相手役が、不適切な行動をする子に対してあくまで対抗しようとすると、その子は次の段階に入ってしまうことがあります。例えば、教室でペンをカチカチ音を立てたから、先生がその子を廊下に出してカギを閉めて、「教室に入ってくるな! 絶対に邪魔させない」という態度を取ったとします。そうすると、子供は先生に勝てない。するとどうするかというと、今度は復讐しようとします。これが第3段階です。

 復讐しようとするので、勝つ代わりに、なるべくその先生が傷つくようなことをします。見つからないように先生のクルマに傷をつけたり、先生の大事なものを壊してしまったりといったことです。そうすると先生の感情も「腹が立つ」から、傷ついたり、がっかりしたりするように変わります。

 ある中学2年生の男の子で、下着泥棒をしていた子がいました。一般的に下着泥棒というと、性的な問題があるかと思われますが、実は彼は下着には全く興味がありません。

 彼のお母さんは、彼が物を投げたり割ったり、万引したりしても、「お母さんは絶対そんなの許さない」という姿勢で、一向に話し合う気配を見せず、彼に絶対屈しないという意志を示す人でした。けれど、彼が下着泥棒をしたときだけは、お母さんが傷つくのです。「ほかの何をしてもいいけれど、下着泥棒だけはやめて。それだけは世間体が悪くて、お母さんが恥ずかしいから」と。それが一番お母さんの傷つくことから、だから彼は下着泥棒をするんですね。第3段階はそういう段階です。

 オフィスでも、第2段階で勝ち負けを競っているときは、いい業績を出すことがあるかもしれません。しかし、この復讐の段階になると、会社にとって貢献的な要素は全くありません。3段階では、「この会社をどうやっておとしめよう」という感じになる場合もあります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ