第2段階──けんかをしかける目立ちたがり屋クンの扱い方(3/4 ページ)

» 2008年05月09日 12時30分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 あるベンチャー企業の例です。その会社は比較的社員同士の仲が良くて、和気あいあいとやっていたんですが、ある女性Cさんのことで困ったことになりました。Cさんは上司のAさん、同僚のBさんとチームを組んで仕事をしていたんですが、信頼していた上司のAさんと同僚のBさんが実は不倫していたのです。3人で仲良く仕事をしていたと思っていたのに、2人が不倫していて、自分は裏切られたというのです。

 Cさんは会社を休んだり、会社の悪口を人に言ったりと、会社が損害を受けることをし始めました。会社は「あなたの心を傷つけたのは申し訳ないので、慰謝料を払って示談にしたい」と提案したのですが、慰謝料をもらってくれない。なぜなら慰謝料をもらうと、それで済んでしまうからですね。Cさんは「そんなものはいりません」という。「じゃあ、どうしたいの?」と聞くと、「分かりません」という。Cさんから「こんな風にしてください」といって、会社として「それは無理だよ」となると、「こんな風にしてください!」と言い張る。とにかく、ありとあらゆる方法で会社が傷つくようにします。このようなケースもあるのです。


 第1段階の注目を引いている段階では、まだかわいげのあるいたずらっ子で、第2段階の勝ち負けの段階には暴れん坊だったりヒーローだったりしますが、この第3段階になると、ひねくれ者や悪者として見られます。この段階になると、みんな共通してその人のことを嫌います。

 実際に、こういったケースはたくさんあり、部下指導で悩んでいる人もいます。例えば、問題の人はある程度の年齢になっていて、経験がある割に仕事ができるとはいえず、でも自分のやり方は曲げないし、協調性もない。そして失敗すると人のせいにする。「なんであの人、この会社にいるんだろう」と思うような人ですね。相談してきた人に、「そう思っているのはあなただけですか?」と聞くと、いや、みんな本当に手を焼いている。年下のメンバーも上司も手を焼いているし、彼の下に付いている部下も困っている。派遣の子まで「本当にあの人の指示を待たなきゃだめなんですか? 仕事が進まないので、どうにかしてください」と言いに来るくらいひどいという。これは、すでに勝ち負けを通り越して、傷つける段階ですね。その人は、部内をひっくり返すことを無意識的にやってしまうのです。

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