各段階における対処法──当たり前の行動に注目する目立ちたがり屋クンの扱い方(1/4 ページ)

これまで“子供のように目立ちたがりな大人”が、どんな行動を取るのかを見てきました。ここからは、その第1〜第4段階の各段階の人たちへ、どんな対処法をとったらいいかを見ていきます。

» 2008年05月12日 16時18分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 ここからは、不適切な行動をとる人に対する、各段階の対応策を紹介しましょう。前述の通り、第4段階まできてしまったら置いておくしかありませんが、第2段階までは、こちらの対応でガラリと良くなる場合があります。

 全般的な対処法としては3つあります。1つは、目立ちたがり屋クンの不適切な行動に注目しないということです。大抵は、音を立てたら、音を立てたことに注目しますね。でも、そのときに注目しないのです。

 そして2つ目として、同時に適切な行動に注目します。これを、みなさんは見落としがちで、要するに当たり前の行動に注目するということです。目立ちたがり屋クン以外の周りのみんなができている行動でも、そのときに注目してください。子供でいえば、その子が騒いでいるときは注目しないけど、ほかの子と同じように歯を磨いているときに「ちゃんと歯を磨けているね」とか、スプーンを持っていたら「ちゃんとスプーンを持てているね」、メモを取っていたら「ちゃんとメモを取っているね」、ちゃんとイスに座っていたら「イスに座ってるね」といった具合です。

 授業中に座っているのは当たり前なのですが、わーっと走り回る子には、座ったときに、座ってくれてありがとう、という気持ちを表す。その代わり、走り回ったら無視します。普通は、座っているときには何も言わず、立って歩き回っていると「なに歩き回っているの!?」と注目するんですね。それは授業が中断して、自分に意識が向けられているという状況ですから、ますます走り回るようになります。そうではなくて、走り回っているときは放っておいて、座っているときに意識を向けるようにします。

 3つ目は、適切な行動をしている子に注目することです。例えば、教室を歩き回っているとしたら、当たり前に座っているほかの子に、「○○クン、ちゃんと座って聞いてくれてありがとうね。あ、△△ちゃんも、ちゃんとイスに座って聞いてくれてうれしいな」と注目します。そうすると、歩き回ってきた子は、「なんだ、歩き回っても気を引けないや」と思うのです。

 会社では、「ねえねえ、聞いて聞いて」と必要以上に自己主張する人や、たびたび「おなかが痛い」といって心配をかけさせる人、ちょっとしたミスを繰り返して注意を引きたがるような人に対しては、そうなったときには「ふ〜ん」という感じでなるべく軽く聞き流します。その代わり、ちゃんと報告書が書けたとき、おなか痛くならずにちゃんと仕事をしているときに、「今回はちゃんとできているね」「しっかり仕事してるね」と注目します。

 そして、それと同時にちゃんとできているほかの人を見ていきます。オペレーションルームにオペレーターが10人いるとして、そのうちの1人が、気を引こうとして、おなかが痛いとか、ここが調子悪い、みたいにやっていたとしても「大丈夫?」と心配せずに、しっかりやっているほかの9人に「ちゃんとやっているね」「元気にやっているね、ありがとう」と声をかけていきます。痛がっていた人が、仕方がないなと思いつつも仕事をしていたら、「あ、○○さんもちゃんとやっているね、ありがとう」と声をかけます。すると、その人は「なんだ、痛がっても気を引けないや」となる。

 確かに上司はちょっと大変ですけれどね。

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