まず5分で、以下の記事をざっと読む。次の10分で「あなたが発想しなければならないお題」をもとに、記事のステップ1、ステップ2を行い、残り15分でアイデア出し(ステップ3)をしてほしい。
先日、本誌の記事で傘の話題があった。あの記事を見て「もっと斬新な傘を考えてみたい」と思い、発想してみた。
「傘の効用」と言えば、
「傘のコスト、害」と言えば、
コツその1:効用、コスト・害をそれぞれ5個以上出す。本質的なものか分からないものも、とりあえず挙げる。
コツその2:効用は意外と思い付きにくい。効用を考えるときには、原始的な状態(傘の場合は、ビニールシートや新聞紙を頭上に掲げて雨をしのいでいる状態)と比較すると出しやすい。
究極の姿では、理想性の式の分子である「効用」は「限りなく優れた効用」へと発展するから、各「効用」を最大化して、
続いて究極の姿では、理想性の式の分母である「コスト・害」は「限りなく少ないコスト・害」へと発展するから、各「コスト・害」を最小化して、
これらを、大まかに統合すると、「傘の究極の姿」は、こうなる。
傘の究極の姿(究極の理想解):横や下からの水にも濡れず、“開く、閉じる”が瞬時にでき、未使用時は体積がほとんどゼロになる。雨のほかゴミや花粉のブロックとしても役に立ち、手で持たずに使える。水分は絶対に浸み込まず、水滴は瞬時に取れる。どんな状況下でも使用時の形状を保ち、風を受けても力が逃げ、傘の利用者に負担にならない。曲がっても折れる構造物がない、変形しても元通りに戻る材質でできている。硬く鋭利な部分は使用時には存在しない。
理想解のすべてを実装するのは、技術的にも商業的にも難しい。そこで例えば3年先に実現できるくらいのものへ緩めてみる。
傘の3年後の姿(理想解の方向に3年分すすめた姿):側面からの水に濡れず、“開く、閉じる”が数秒でできる。未使用時の体積が従来の傘の半分くらい。鞄から物を取り出すくらいの時間(10秒)は、手を放すことができる。水分はあまり浸み込まず、少しの動作で水滴がほとんど取れる。風を受けても力が逃げる構造で曲がっても大抵は復元できる。硬く鋭利な部分は使用時には隠れるか、保護をする形状になっている。
コツその3:「ぎりぎり実現可能なくらいのもの」は厳密でなくていい。目安として“3年くらい先に可能なぐらいの”とすると考えやすい。
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