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» 2008年07月18日 20時31分 UPDATE

シゴトハッカーズ:Googleカレンダーの“入学”から“卒業”までの3つのステップ【チュートリアル編】

Googleカレンダーを例に、大量に押し寄せる仕事をカレンダーを活用して捌く方法を紹介しましょう。

[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

 カレンダーツールをうまく使いこなすことで、大量に押し寄せる仕事をうまくさばくことができるようになります。とはいえ、カレンダーツールは文字通り単なるツールに過ぎません。カレンダーツールに限らず、どんなに優れたツールであっても、その使い方に習熟していなければ、その真価を発揮することは困難でしょう。

 今回は、Googleカレンダーを例に、カレンダーツールの使い方を次の3つのステップに沿ってご紹介します。

  1. 始める
  2. 使う
  3. 使われる(いい意味で)

1.カレンダーを使い始める

 新しいツールを使い始めることは、新しい習慣を取り入れることを意味しますから、なかなか一筋縄ではいかないものです。それまでの習慣が邪魔をするからです。そこで、まずは1週間だけやってみるという前提で取りかかるようにします。

 手始めに、手元にある手帳やタスクリストなどに書かれているアポイントやルーティンワークについて、直近1週間分だけをカレンダーに登録してください。客先訪問や社内会議といった日時が決まっている予定はもちろん、毎朝出社したら必ず行っているメールチェックやイントラネットの掲示板チェックなどのルーティンについても、例外なく登録していきます。

ks_gcalendar1.jpg

 こうすることで、Googleカレンダー上で何も割り当てられていない時間帯(未割り当ての時間)が見えるようになるはずです。「今日は終日社内でデスクワークだ」という日であったとしても、ランチタイムやルーティンワークによって実際に使える時間は思いのほか限られているものです。このことを視覚的に実感する上でも、分かっている予定はすべてカレンダー上に割り当てていく必要があるわけです。

 逆にいえば、未割り当ての時間が把握できていれば、その時間は自分の自由に使える時間ということになりますから、そうなって初めて現実的なスケジュールを立てる準備が整ったことになります。

 カレンダーに投影された“現実”を直視することによって、

  • 今週はこれ以上のアポイントは入れてはいけない
  • ルーティンワークをもっと減らさなければいけない
  • 木曜の午後に空き時間があるので、あの仕事を前に進めよう

 といった、見通しにもとづいた段取りが組めるようになります。

2.カレンダーを使う

 いうまでもなく、スケジュールは作っただけでは意味がありません。予定外の飛び込み作業などで、なかなかスケジュール通りにはいかないかもしれませんが、そうであったとしても、“本線”を意識しておくことです。激しく“脱線”してしまった場合は、スケジュールを立て直すしかありませんが、多少の逸脱であれば、あらかじめ用意しておいたバッファ(予備)時間を使って立て直すことができます。

 そのためにも、スケジュールを立てる段階では、一定時間ごとに何もしない時間を確保しておくことです。これについては、本連載の「劉邦に学ぶ時間の“補給路”確保戦術」にて詳しくご紹介しています。

 また、どんな仕事にどれぐらいの時間がかかったのかを把握しておくことは、後日のスケジューリングの際に役に立ちます。白紙の状態で何にどれだけの時間がかかったのかを記録していくのは大変ですから、あらかじめ立てたスケジュールと比較して、どれだけの隔たりがあったか、その差分だけを記録していくことで、手間を省くことができます。具体的な方法については、本連載の「使途不明時間が多くて困る」を参照してください。

3.カレンダーに使われる(いい意味で)

 実際にカレンダーに並べた通りに仕事を進めようとすると、次のような「小さな面倒」に直面することになります。

  • 現在進めている仕事は、あとどれだけの時間で終える必要があるのか、カレンダーを見て確かめる必要がある。
  • 1つの仕事が終わるたびに、カレンダーを見て次の仕事は何かを確かめる必要がある。

 いずれもちょっとしたことではありますが、仕事に没頭している時には煩わしく感じることもあるでしょう。そこで、お勧めしたいのが、D3timerというツールです。

ks_gcalendar2.jpg

 右の図のように、Googleカレンダーに登録されたスケジュールに沿って、現在すべき仕事と残り時間をリアルタイムにブラウザ上に表示させることができます。

 次に取りかかるべき仕事も、その開始時刻とともに下部に表示されますから、安心して目の前の仕事に没頭することができるわけです。

 以上、3つのステップに分けてカレンダーツールの使い方をご紹介してきましたが、「こんなに手間のかかる方法はやってられないのではないか?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。実は、今回のようなやり方を取り入れることの最大の目的は、人の時間感覚というのは非常にあいまいなものであることを体感することです。そういう意味では、養成ギプスのようなもので、1週間〜1カ月程度この方法を実践してみて、手応えが得られたタイミングで“ギプス”を外してもかまわないわけです。

 ドラッカーも『プロフェッショナルの条件』の中で次のように述べています。

 継続して時間の記録をとり、その結果を毎月見ていかなければならない。最低でも年2回ほど、3、4週間記録をとるべきである。記録を見て、日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない。半年も経てば、仕事に流されて、いかに些事(さじ)に時間を浪費させられていたかを知る。

 まずは、現在の時間の使い方を見直すためにも、期間限定でカレンダーを使ってみることをお勧めします。

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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