その15 値下げの限界で行き詰まりビジネス力1分間トレーニング

コンビニのおにぎりが激しく値下がりしています。80円台でもみ合っているなか、あるコンビニでは78円のおにぎりが登場しました。あなたはおにぎりの商品企画を一手に任されています。次の一手をどうしますか?

» 2008年09月30日 14時50分 公開
[西村克己,ITmedia]

Question

 コンビニで販売しているおにぎりの値下がりが激しく、80円台での勝負になっています。あるコンビニでは78円のおにぎりが登場し、おにぎり業界が貧乏ヒマなしです。あなたはおにぎりの商品企画を一手に任されています。

 さて、次の一手をどうしますか?(複数回答可)

  1. コンビニの目玉商品として赤字でも68円を企画する
  2. 思い切って2倍の160円以上の高級品を企画する
  3. 中間の120円くらいのおにぎりで勝負する
  4. 洋風おにぎりのような企画で、80円で勝負する

Answer

今回の問題は『問題解決力1分間トレーニング』の19問目から出題

 今までの延長線上で限界を感じる場合、全く反対のことを考えることで現状打破できることがあります。つまり逆転の発想です。赤字覚悟でさらに値下げしても、貧乏ヒマなしになるばかりです。

 (1)の目玉商品で68円といっても、他のお弁当まで値下げ圧力が出て、お弁当の売上げ全体が落ちてきます。(2)の160円以上の高級品は、高いを通り過ぎてインパクトが出せるので反応を見るといいでしょう。(3)の120円だと顧客はインパクトよりも割高感を感じるでしょう。(4)の洋風おにぎりのような差別化もお勧めです。正答例は(2)。利益が出れば(4)も可です。

解説:オプション思考で広い視点の代替案を

 オプション思考を適用する場面として、「画期的な方向転換をしたいとき」「現状打破をしたいとき」「いいアイデアを出したいとき」などがあります。

 また、大きな大切な意思決定をする場合に、オプション思考が不可欠です。例えば、自社の物流改革の方針を考えるテーマで考えてみましょう。代替案として「自社内で改革」「子会社化する」「アウトソーシング(外部委託)」などが考えられます。

 引っ越しをする場合、引っ越し先をどうするかも代替案で考えるといいでしょう。自分で購入するのか、賃貸にするのか、両親と同居するのかなど、多くの選択肢があるでしょう。また引っ越しを中止するのも一案です。代替案の中から最終的に1つ選択します。

 代替案の視野を広げるためには、正反対を考えるのもおすすめです。例えば、引っ越しでは「持ち家」「持ち家以外」「戸建て」「集合住宅」など、反対や裏表を考えることで、代替案を思いつくヒントになります。

著者紹介 西村克己(にしむら・かつみ)

 岡山市生まれ、大学教授、経営コンサルタント。1982年東京工業大学経営工学科大学院修士課程終了。富士写真フイルムを経て、1990年に日本総合研究所に移り、主任研究員として民間企業のコンサルティング、講演会、社員研修を多数手がける。2003年より芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授。専門分野は、MOT(技術経営)、プロジェクトマネジメント、経営戦略、戦略的思考、論理思考、図解思考。

 主な著書に、『経営戦略のトリセツ』『よくわかるプロジェクトマネジメント』『図解する思考法』(日本実業出版社)、『戦略構想力が身につく入門テキスト』『論理的な考え方が面白いほど身につく本』『論理的な文章の書き方が面白いほど身につく本』(中経出版)、『戦略思考トレーニング』『論理的な考え方が身につく本』『論理的な話し方が身につく本』(PHP研究所)、『スピード仕事術』『戦略経営に生かす兵法入門』(東洋経済新報社)、『脳を鍛えるやさしいパズル』(成美出版)など、約60冊。



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