妻に近所つき合いの悩みを相談されました。「お隣の矢崎さんって本当に変な人なのよ。話をするだけで疲れるわ」というのです。さてあなたは、妻の相談にどう対処しますか?
妻に近所つき合いの悩みを相談されました。「お隣の矢崎さんって本当に変な人なのよ。話をするだけで疲れるわ」というのです。
さてあなたは、妻の相談にどう対処しますか?(複数回答可)
仕事では論理思考は重要ですが、男女間では、論理的に考えないほうがいい場合が多いようです。女性は論理的や理屈が嫌いな人が多く、直観やフィーリングが重視されます。また女性の相談では、悩みを解決してほしいというより、「話を聞いてほしい」という場合が多いようです。かえって結論や解決策を提示しないほうがいい人のようです。
(1)の対応策を提案、(2)の問題点を整理するのは、大きなお世話と思われるでしょう。(3)の話を親身になって聞いてうなずくのが、女性には満足度が高いようです。(4)の分析してあげるのも女性は求めていません。回答例は(3)です。
特に女性に対しては、仕事以外では論理思考をしないほうがいいという説があります。多くの女性の悩み相談は、結論を求めていないからです。三角ロジックの、「主張」「論拠」「データ」のうち主張は求めていません。「なぜ?」という理由の追及や、「だからどうした」という主張にこだわらないほうが賢明です。
女性にもてると言われているある男性俳優は、女性から会話を引き出す3つの魔法の言葉を使いこなすとか。「そうだよね〜」「ぼくもそう思うよ」「それで〜」の3つです。
「そうだよね〜」と「ぼくもそう思うよ」は、相手に同意をするものです。同意されることで、自分のことを分かってくれていると、女性は安心して話ができます。そして「それで〜」によって次の話を引き出すのです。これで女性は3〜4時間話が続けられるとか。
主張がいらないビジネス以外の場合、相手から話を引き出すことで、自分から話題を探す苦労から解放されます。話をしたい人が多いので、相手の話を肯定的に聞いてあげると、いい人ねと思われるようです。コミュニケーションが苦手な人は、相手から話を引き出す問いかけをしてみてはいかがでしょうか。
岡山市生まれ、大学教授、経営コンサルタント。1982年東京工業大学経営工学科大学院修士課程終了。富士写真フイルムを経て、1990年に日本総合研究所に移り、主任研究員として民間企業のコンサルティング、講演会、社員研修を多数手がける。2003年より芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授。専門分野は、MOT(技術経営)、プロジェクトマネジメント、経営戦略、戦略的思考、論理思考、図解思考。
主な著書に、『経営戦略のトリセツ』『よくわかるプロジェクトマネジメント』『図解する思考法』(日本実業出版社)、『戦略構想力が身につく入門テキスト』『論理的な考え方が面白いほど身につく本』『論理的な文章の書き方が面白いほど身につく本』(中経出版)、『戦略思考トレーニング』『論理的な考え方が身につく本』『論理的な話し方が身につく本』(PHP研究所)、『スピード仕事術』『戦略経営に生かす兵法入門』(東洋経済新報社)、『脳を鍛えるやさしいパズル』(成美出版)など、約60冊。
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