その19 問題点が山積みビジネス力1分間トレーニング

 ある日、改善強化月間のイベントとして、製造部の問題点を洗いざらい出そうということになりました。さて、問題点を出し合ういい方法は次のうちのどれでしょう?

» 2008年10月14日 20時12分 公開
[西村克己,ITmedia]

Question

 製造部の山根部長は改善活動に熱心です。「君たち、少しのムダも積もれば大きな損失になる。地道な改善が必要だ。小さいことからコツコツと」というのが口癖でした。

 ある日、改善強化月間のイベントとして、製造部の問題点を洗いざらい出そうということになりました。

 さて、問題点を出し合ういい方法は?(複数回答可)

  1. 重要な問題点を1人3つずつ出して全部解決する
  2. 問題点を1人10個以上出すが重要度を評価する
  3. 問題点をブレインストーミング(自由発想)で出し合う
  4. 付せん紙1枚につき1つずつ問題点を書き出す

Answer

今回の問題は『問題解決力1分間トレーニング』の37問目から出題

 できることは何でもやるという心構えは大切ですが、現実的には、時間と予算は限られています。重要度が高い問題点を絞り込んで、効果が高い対策に専念しましょう。また一度に10個のテーマを1人で抱え込むと、すべてが中途半端になります。

 (1)の1人3つずつ出したとしても、30人いれば90個で多すぎます。(2)の問題点を1人10個以上出す、(3)の問題点をブレーンストーミング、(4)付せん紙に問題点を書き出すのも、問題点を出しやすくなります。ただし、いずれも重要なものを数個以内に絞り込むことが必要です。正答例は(2)(3)(4)です。ただし重要なものだけを厳選します。

解説:付せん紙を使って情報を整理しよう

 付せん紙とブレーンストーミング(自由発想)を併用すると、情報を簡単に整理できます。「なぜ当社は儲からないのか?」というテーマで考えてみましょう。まず、各人がブレーンストーミングで問題点を付せん紙に書いていきます。付せん紙がそろったら、書いた人が付せん紙を読み上げながら、摸造紙の上で類似した問題点があるところに移動させます。

 例えば、製品クレームが多い、歩留りが悪いなどは、品質管理の問題なので近くに集めます。こうして同じようなグループに、例えば「品質管理が悪い」というような問題点を代表する付せん紙を作成してグループ化します。小グループ、中グループ、大グループなど、代表する付せん紙を作成しながら、最後にマジックなどで枠を囲みます。

 付せん紙を使うと、書いた後に自由に移動したり、貼り付けたりはがしたりができます。位置が確定したら、セロファンテープなどで張り付ければ、はがれてバラバラになることもありません。

著者紹介 西村克己(にしむら・かつみ)

 岡山市生まれ、大学教授、経営コンサルタント。1982年東京工業大学経営工学科大学院修士課程終了。富士写真フイルムを経て、1990年に日本総合研究所に移り、主任研究員として民間企業のコンサルティング、講演会、社員研修を多数手がける。2003年より芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授。専門分野は、MOT(技術経営)、プロジェクトマネジメント、経営戦略、戦略的思考、論理思考、図解思考。

 主な著書に、『経営戦略のトリセツ』『よくわかるプロジェクトマネジメント』『図解する思考法』(日本実業出版社)、『戦略構想力が身につく入門テキスト』『論理的な考え方が面白いほど身につく本』『論理的な文章の書き方が面白いほど身につく本』(中経出版)、『戦略思考トレーニング』『論理的な考え方が身につく本』『論理的な話し方が身につく本』(PHP研究所)、『スピード仕事術』『戦略経営に生かす兵法入門』(東洋経済新報社)、『脳を鍛えるやさしいパズル』(成美出版)など、約60冊。



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