「これをやるぞ!」という目標はあるのに、ビジネスや人生がどうもうまく行かない。そんな時、真っ先にすべき解決法は?
人生を大きく変えるセルフイメージ、信念、価値観。8つの実践を通して、これら3要素について解説してきました。今回は最終回です。仕事や人生がうまくいかない時は、3要素をどう変え、いい方向に向かえばいいかを見ていきます。
実践 | 実践する内容 | 要素 |
---|---|---|
1 | 「私は○○だ」 | セルフイメージ |
2 | 「人は△△だ」 | 信念 |
3 | 「世の中は××だ」 | 信念 |
4 | 「人生は××だ」「仕事は○○だ」「お金は△△だ」 | 信念 |
5 | 「運は××だ」 | 信念 |
6 | 「もし○○をしたら××になる」 | 信念 |
7 | 「愛/成功/自由/……(中略)……効果/オリジナリティ/新しさ」。この中で大事なものと要らないものは?」 | 価値観 |
8 | 「心配/孤独/嫉妬(しっと)/怒り/悲しみ/憂鬱(ゆううつ)/裏切り/束縛/貧しさ/イライラ/危険」の中で一番嫌なものは?」 | 価値観 |
次のような状況を想像してみてください。
リンゴが木の高い所に実っていて、ミカンは低い所になっています。ここにいる人はリンゴが好きです。そして、この人は背が低い。さて、これらの状況はセルフイメージ、信念、価値観のどれに当たるでしょうか。
「リンゴが高い所、ミカンが低い所になっている」というのは信念です。信念は、「○○を信じる/信じない」というように、物事をどう認識しているか、つまり認知です。「リンゴが好き」というのは価値です。価値は感情レベルです。そして、「僕は背が低い」というのがセルフイメージに当たります。
この状態だと、この人は不幸になります。「リンゴが食べたい(価値観)。でも高い所にあるんだよ(信念)。オレ、背が低いしさ(セルフイメージ)」という流れになって、いつまでたっても幸せにはなれません。りんごを食べるには、この状況を変えてセルフイメージ、信念、価値観のどれかを変えればいいのです。
「低い所にあるリンゴもあるんじゃないか」と信念を変えます。ほとんどのリンゴは高い所にあるけれど、「低い所にもあるかも」と探し始めたら、見つかるかもしれません。
これはビジネスにも応用できます。
「私はこのジャンルで独立しようと思っている。でも競合が多い。今から参入するのは無理だ」というのは信念ですね。ところが「でも、まだ開拓されていないニッチがあるかも」と思って探し出すと新しい信念が見つかるかもしれません。「ここだったら、まだいけるかも」となった時、「私の能力だったらやれるかも」「私の技術はそこに対応できる」というのがセルフイメージになり、「それがやりたい」は価値観になるわけです。このように、信念を変えることができます。
価値観を変えると、どうなるでしょうか。
「リンゴじゃなくていい、ミカンが好き」ということがあり得ます。「リンゴしかおいしくないと思っていたけれど、ミカンも悪くないな」と。ミカンが好きになれば、ミカンは低い所にあるのでたくさん採れます。このように、価値観を変えることもできます。
セルフイメージを変えるとどうなるでしょう。
背が低いのを、高く変えられたら理想的ですが、さすがに無理ですね。それなら「高い所も採れる自分だ」と考えます。台を持ってくるとか、木に登れる人間だとかです。このようにセルフイメージを変えることで、「リンゴは高い所になる、リンゴが好き、私は木に登れる」で幸せになれます。
ビジネスの例で考えると、「自分は能力がない」というのはセルフイメージ。「世の中は競争でいっぱい」は信念。「だから自分は会社に属さなきゃダメだ」が価値観になります。こう思いながら仕事をすると、会社に入ってもよいパフォーマンスは発揮されません。
思い込んでいることを変えるのは大変ですが、どれかから変えていく必要があります。
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