今見ない書類は1年後も見ない? 廃棄するための2つのきっかけ紙、空間、時間――3つの無駄をなくす文書管理(2/2 ページ)

» 2009年02月26日 20時15分 公開
[SOS総務]
SOS総務
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廃棄では環境配慮を

 紙文書の廃棄には情報セキュリティーへの配慮と、環境保護への配慮という二面の配慮が必要になる。

 環境配慮の面では紙資源のリサイクルを考慮する必要がある。紙文書を焼却処理することは、リサイクルにはならない。紙は焼却すると2割程度の灰が残り最終処分場で埋め立てらるのだ。また、焼却時にはCO2も排出される。紙は資源ゴミとしてリサイクルするのが望ましい。

 環境に配慮しつつ秘密文書や個人情報を含む文書を廃棄するには、溶解処理もしくは破砕処理をする必要がある。

 溶解処理を行うには、専門の業者に運搬を依頼し、製紙会社で製紙原料として溶解処理されるのが一般的。業者により運搬や溶解は十分なセキュリティーのもと行われるが、この作業に担当者が立ち会うことも可能だ。できるだけ立ち会うことをお勧めする。作業終了後は、業者が溶解証明書を発行するので確実な廃棄の証拠が残る。

 一方、破砕処理は希望すれば破砕機搭載車を事務所まで持ち込み、担当者確認のもとで廃棄作業をすることもできる。

 現在では「ミックスペーパー」として、ステープラーの針、クリップ、セロハンテープなどの再生不可能なものが付着している紙類でも、どんなカットのシュレダーくずでもリサイクルできる。紙文書の分別の手間の大幅な削減が可能になった。

 オフィスビルから排出されるCO2排出量のさらなる削減が叫ばれている中、紙文書の廃棄は企業の姿勢が問われる重要な課題といっても過言ではない。各企業のセキュリティーポリシーに合わせた適切な対応が、今後ますます重要になってくる。

POINT

  • 不定期に文書を廃棄する場合、ほとんど誰も見ていない文書は積極的に廃棄すること
  • 定期的に行う文書の廃棄は文書ファイルの保存年限の設定がカギ
  • 法定保存年限は1年、3年、5年、7年、10年、永年の6つ。重要書類であっても、保存年限を短く設定してこまめに見直しを

『月刊総務』2008年1月号 「法と機密を守るための文書の保管・保存&廃棄のルール」(P74〜75)より

執筆:エフエム・ソリューション FMコンサルタント

山野辺 泉


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