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» 2011年01月25日 18時40分 UPDATE

おおっ、動く! 動いてるよ!:iPad版「将棋世界」はオレを感動させたのだった (1/2)

次世代iPadのうわさもちらほらする昨今、まだiPadの購入に踏み切れない人も多そうだ。そこで筆者が「iPadを買ってよかった」と思うアプリを紹介しよう。それは、とある電子書籍だったのである。

[開米瑞浩,Business Media 誠]

 iPadを買おうかどうしようか、と迷っている人はぜひこの記事を読んでほしい。そして、あなたが関心を持っている分野で、私がこれから書くようなアプリが出ていないか、探してみてはいかがだろうか。ただしその場合は「こりゃもう買うっきゃない!!」と思ってしまうココロとお財布の準備は忘れずに……。

 という前置きはともかく、まずは私がiPadで愛用しているソフトのランキングを紹介しよう。

  1. Twitter(TwitRocker Lite
  2. 詰将棋
  3. 将棋世界
  4. Safari(GmailなどWebブラウジング)
  5. Evernote
  6. CalenGoo(Googleカレンダー連動スケジューラー)
  7. GoodReader(ドキュメントビュワー)
  8. Googleマップ
  9. Star Walk(天文観測ソフト)

 iPhoneも持っている私の場合、上記のアプリはだいたいiPhoneと共通で使っているが、この中にはiPhoneではあまり使わないか、あるいはまったく使わないものが2つある。それは、

  • GoodReader
  • 将棋世界(以後紙の雑誌と区別するために「将棋世界 電子版」と呼ぶ)

 の2つだ。GoodReaderのほうはPDFなどの文書を閲覧するためのドキュメントビュワーとして有名なのでご存じの人も多いだろう。iPadではよく使うが、iPhoneでは画面が小さいのでPDFを見る気になれず、あまり使っていない。

 一方、もう1つの「将棋世界 電子版」のほうはほとんど知られていないはずだ。当然の話で、名前からお分かりのようにこちらのアプリは「将棋」という日本古来の伝統ある、ただしそれほどメジャーなわけではない、というより一部のファン以外はほとんど見向きもしない(悲)、超マイナー分野の専門雑誌(の電子版)だからである。

st_kai01.jpg 「将棋世界 電子版」2月号表紙

 ところがそのニッチなソフトが私の中ではiPadの愛用アプリランキングのベストスリーに入っているのである。私だけではなく、実はこの「将棋世界」電子版、2010年12月の発売以来、将棋ファンの間では大絶賛のスグレものなのだ。

 いったい何が優れているのか? その謎を愛読者の声から拾ってみよう。

 明日発売の電子版将棋世界がとても楽しみ。盤面を動かせるらしい。紙より2割安い600円。もっと未来のことだと思ってたけれどまさか明日とはね。持っててよかったiPad。


 電子版将棋世界の為だけにiPad買うかも。局面図が動くのはかなり魅力だし、毎月必ず本棚が2センチ圧迫されることから解放される。


 おおっ! 動く! 動いてるよ!! スゲーーーーーッ!!


 何を隠そう、最後のコメントは私が現物を見たときに思わず発した一言。もう見た瞬間に速攻で「将棋世界 電子版」を購入してしまったほどだ。

 実際に何がそんなにスゴイのか。

 もちろん「毎月必ず本棚が2センチ圧迫されずに済む」のはうれしい。とはいえ、古いものは捨ててしまう人には関係ない。それに「紙の雑誌より2割安い」のはうれしいけど、月刊誌なので月額200円にも満たない差だ。そのぐらいなら正直、乗り換える理由にはならない。「将棋ファンがこぞって大絶賛」することはありえない。

 スゴイのは大きさでも価格でもない“第3のポイント”なのだ。それが「盤面を動かせる」ことなのである。論より証拠、実際に私が「将棋世界 電子版」を操作している場面をご覧いただこう。

 お分かりだろうか。将棋雑誌なので、将棋の対戦途中の図である「盤面図」が載っている。この盤面図を自由に動かせること、これが紙の雑誌ではありえない、電子版ならではのメリットで、特に、

  • 将棋が好きだけれどそれほど強くない、初級者〜中級者クラス

 のユーザーの感涙をゴージャスに誘っているのである。

 将棋というゲームは、始めたら一手ずつ交互に指していくので、それを記録することでゲームの進行が分かる。その「指し手を記録したもの」を棋譜といい、例えばこんな形で書かれている。

st_kai02.jpg 棋譜図

 いやあ〜、これは分かりやすいですね〜、なんて声は決して上がらないだろう(笑)。素人がこんな棋譜を見ても何のことやらチンプンカンプンさっぱりわけわかめな記号の羅列でしかない。

 ところが将棋の強い人はこれだけで脳内に将棋盤を描いて再生できる。ソロバンの達人は“脳内ソロバン”で計算するというが、同じように将棋の達人は“脳内将棋盤”を使えるわけだ。

 が、もちろん初級者にはそれは難しい。棋譜だけで開始から終局までイメージできるのはだいたいアマチュア三〜四段クラス以上の実力の持ち主で、まあ将棋をさせる人が500人いたら1人いるかどうかというところだろう(え、私? もちろん無理無理ゼッタイ無理。無茶な注文つけんといてくださいな)。

 それでも「上達したい」「プロの対局がどう進行したか知りたい」「研究したい」と切に願う初級者〜中級者にとって、このiPad版「将棋世界」の「盤面図を動かせる」機能は実に実にありがたい。いやほんと「マジすげぇ〜っす、ぱねぇっす」。

 さらにはこの「盤面図を動かせる機能」には“隠しコマンド”までついている(いや別に秘密じゃないんですが)。選んだ棋譜をそのままiPad用の将棋ソフトで進行させたり検討させられる、という機能だ。

 先ほどの動画で後半に出てきていたが、雑誌の中の小さな盤面図から「柿木将棋で再現」という選択をすると、画面一杯の大きな将棋盤に切り替わったのがお分かりろうか。これが「柿木将棋」という、PC用将棋ソフトで有名な製品のiPad版だ。こうして将棋ソフトにデータが渡ると、指定場面から手を変えて検討したり、ソフトにヒントを出してもらったりすることができるので、非常にいい勉強になるのである。ちなみにPC用の将棋ソフトは既にそこらのアマチュアではほとんど勝てないレベルに達しているし、iPad版でもバカに出来ないほど強い。

 そんなわけで将棋ファン大絶賛のこの「将棋世界 電子版」、iPadという電子デバイスの強みを存分に発揮した一品だ。

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