「うちの営業マンはだらしがない」と思わず嘆いてしまうことがある経営者の方、自問してみてください。強制力で人を動かしてしまっていませんか?
前回「上司は、部下を育てたくない?」の続きです。
今回は「怒ってばかりいる営業の責任者」に心当たりのある、営業面で悩んでいる中小企業の社長さんにぜひ読んでもらいたい、と考えながら書いています。
Kさん いますねえ。部下に対して、プチ独裁者的に振る舞う人って。
庄司 いますよね。そんなことをしても成果が上がるわけがないんですけどね。
独裁者的な振る舞いというのは、「売れるまで帰ってくるな!」という種類の、恐怖と強制力で人を動かそうとするスタイルです。
スコップで穴を掘らせるような肉体労働ならともかく、現代の社会で法人営業をやろうとするときにそんなことをしても営業部門が「チーム」としてまともに動くことはありません。
Kさん チームが成果を挙げるようになるためには何が必要なんですか?
庄司 ものすごく大ざっぱに言うと、目標のイメージを共有してマネジメントの技術を駆使すること、ですね。
目標のイメージは次のようなものです。
庄司 こんな未来を実現するぞ! という強い想いがリーダーには必要なんですよ・
Kさん 強い想いですね。そうですね。そのイメージに共感できれば、やる気になりますもんね。
庄司 少なくとも社長はこの「強い想い」は持っていることが多いんですよ。
Kさん なるほど。
庄司 ただし「想い」だけで組織は動きませんので、それに加えてマネジメントの技術が必要です。
よく、組織を動かして成果を出せる人のことを「あの人にはリーダーシップがある」と評することがありますが、「リーダーシップ」というのは実は目標への強い想いとマネジメントの技術の2つを車の両輪として成り立つものなんです。
マネジメントは「想い」を実現するためにチームを動かす「技術」です。この「想い」と「技術」の両輪がうまく回り出したときに、チームは見違えるような力を発揮します。
私は今までその現場に通算50社以上立ち会ってきましたので、このことは間違いなく断言できます。