自分の心は、自分で満たせる仕事に負けない、頭と心の整理術(2/3 ページ)

» 2013年07月17日 11時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]
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自分の心は、自分で満たそう

 私が本連載でお伝えしたかったことは、「自分で自分を満たす」ことです。

 仕事の中では、自分の思うようにならないことが多々あります。例えば「本当は上司に話を聞いてほしいのだけれど、全然話を聞いてくれない」「本当は部下に自発的に動いてほしいけれど、なかなか動いてくれない」「本当は職場がもっと明るくなったらいいと思うけれど、同僚が乗り気でない」「本当は会社の制度を変えてほしいのだけれど、なかなか変わらない」など、「本当は……」ということが多いのが実際の職場です。

 理想論通りには、なかなか上手くいかないものです。このようなとき、以前の私は、「上司が悪い」「部下が悪い」「同僚が悪い」「職場が悪い」「会社が悪い」と言っていました。そして、何も変わらないことを嘆いて「なんて自分は不幸なんだろう」と思っていた時期もありました。

 けれども今は、自分の感情には自分で責任を持つようになりました(責任なんていうと、少し大げさですが……)。もちろん、今もネガティブな気持ちを抱くことは多々あります。しかしネガティブな気持ちを歓迎し、受け入れ、自分にとって大切な信念や価値観を探ることで、本当の自分に出会える楽しさを知れるようになってきましたし、信念や価値観に毎日触れている今は、以前よりも自分の軸が太くなってきたような気がします。

 仕事の中では、予想もできないことがたくさん起きます。目の前でどんなネガティブな(ように見える)ことが起こったとしても、自分のこころは自分で満たせる人が増えたらいいな、と思っています。

 現代人は、感じることよりも、考えること……つまり、感情よりも思考を大切にするようです。沸き起こった感情をどう思考でコントロールするか。感情で振り回されているよりもそっちのほうが知的な感じがして、格好いい。そんなイメージもあります。

 中には、感情を思考でコントロールするスキルを身に付けようとしている人もいます。そう、感情はいつも悪者扱いです。

 でも、もし、うれしさも、楽しさも、喜びも、愛しさも、何も感じることができないとしたら……。もし、苦しさも、つらさも、悲しさも、何も感じることができないとしたら……。恐らく人生なんてつまらないものになってしまうでしょう。

 考えることも大切。けれども、感じることはもっと大切。感情は、自分の心が仕事に負けそうになっていないか、自分らしい状態でいるかどうかを教えてくれます。感情が発しているメッセージに敏感になり、セルフコミュニケーションが上手くできるようになれば多くの問題が解決します。ふと感じる感覚を大切にしてください。ふと生じる思いに耳を傾けてください。

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