あなたが勤めている会社の給料は低いですか? それとも高いですか? 今回は、業種別の平均給与を例に、給料が低い5つの理由のうち3つを紹介します。
本連載は、木暮太一氏著、書籍『ずっと「安月給」の人の思考法』(アスコム刊)から一部抜粋、編集しています。
給料の上がる人と上がらない人は何が違うのか。そもそも給料とはどうやって決まるのか。で、どうすれば給料は上がるのだろうか。
「年功序列は悪!」と考えている、「生産性が上がれば、給料も上がる」と期待している、「チャンスはいつまでもある」と思っている、就業規則を読んだことがない、「会社の経費で落ちるか」をいつも気にしている、「人は見かけが9割」を理解していない。
そんな全国のサラリーマンに贈る本書には、いつまでも薄給の「あの人」みたいにならない思考のヒントが満載です。
ベストセラー『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』(星海社新書)の著者である木暮太一が、1年の歳月をかけて完成させた渾身の1冊。
木暮太一(こぐれ・たいち)
経済入門書作家、経済ジャーナリスト。
慶應義塾大学 経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から難しいことを簡単に説明することに定評があり、大学在学中に自作した経済学の解説本が学内で爆発的にヒット。現在も経済学部の必読書としてロングセラーに。
相手の目線に立った話し方・伝え方が「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・大学・団体向けに多くの講演活動を行っている。
『今までで一番やさしい経済の教科書』(ダイヤモンド社)、『学校で教えてくれない「分かりやすい説明」のルール』(光文社新書)、『カイジ「命より重い!」お金の話』(サンマーク出版)など著書多数、累計80万部。
右の表は、業界・業種別の平均給与を表しています。なぜこんなにも差があるのでしょうか?
業界によって給料が違うということは、扱う商品が違えば給料が変わるということです。労働力の価値(明日も同じ仕事をするために必要な経費)で給料が決まるとしたら、扱う商品が異なっても給料は変わらないのではないか、と思うかもしれません。
しかし、現実にはこのように大きな差がついています。なぜ、給料の低い会社が生まれてしまうのか。これには5つの理由があります。今回はそのうち3つを説明します。
給料の基準は労働力の価値で決まります。しかし、そこから労働力の使用価値(能力)で上下に変化します。さらに、企業の業績も給料を変える要素になっています。つまり、企業の業績が異なれば給料が異なるということです。ベースはあるけれども、企業の業績によって振れ幅があるわけです。
簡単に言うと、ガッポガッポもうかるビジネスと、なかなかもうからないビジネスがあるのです。そしてこの違いが、給料にも影響を及ぼしています。
長年、利益がたくさん出ていればそれだけ企業の“お財布のひも”も緩くなります。「これだけもうかっているから、もっと給料を出してもいいか。そうしたら、もっと働いてもらえるし優秀な人も入ってくる」と考えるようになります。だから、構造的に利益を上げやすい業種は、給料が高い傾向にあるのです。
逆に、もうかっていなければ給料を上げようがありません。
ただし、業績が給料に影響するのはあくまでも小さな「振れ幅」程度です。同じ業界で純利益が10倍違うA社とB社があっても、その従業員の給料は1.5倍も変わりません。給料のベースを決めているのは労働力の価値で、会社の業績はプラスα程度だからです。
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